民進党の岡田克也代表は3日、北海道を訪れ、4月24日実施の衆院北海道5区補欠選挙で民進党が推薦を決めているフリー・ソーシャルワーカーの池田真紀(いけだ・まき)さんとともに新篠津村役場前、石狩当別駅前、厚田漁港前で街頭演説を行った。
「日本は今、時代の大きな分岐点にある」と切り出した岡田代表は、国民の命を守るために自国を守ることは当然だが、日本と直接関係のない国際紛争に対して「米英と同じように武力で解決しようとするのか、武力行使をしないで話し合いで解決しようとするのか」が問われていると強調。「ここで誤ってはいけない。もう取り返しがつかないことになる。そのことを1人ひとりが真剣に考え、周りの人と話していただきたい」と呼びかけた。
アベノミクスについても厳しく批判。「この3年数カ月で生活が良くなった、楽になったと実感できる人はほとんどいない。非正規雇用が今は4割、中間層が下に落ちる格差拡大が深刻化している。1人親家庭の半分が貧困状態にある国は、先進国では日本以外にない。これは政策が間違っているからだ」と指摘。政治が今、最も取り組むべきは「中間層の厚みを大事にし、生活を底上げさせ、経済成長につなげることだ」と訴えた。
池田まきさんは、「今私たちの目の前に待っているのは、憲法改悪。戦後70年守ってきた平和がなくなろうとしている。憲法を変えるということはこの国のあり方が全てが変わるといっても過言ない。皆さんと一緒に平和を守り、本当の安心社会を創っていきたい」と訴えた。また、20年にわたり福祉に携わってきた池田さんは「社会福祉や社会保障があるが、一部の人しか利用できない。本当に必要な人に必要なものが行き渡っていない」と法律や制度の矛盾を突いた。そうした問題に取り組んできた経験を踏まえ「全ての人が安心し、自信をもって生きていける。それを実現したい」と決意を語った。
街頭演説後に記者団の取材に応じた岡田代表は、短い期間で北海道5区に2度も入った理由について聞かれ「日本の大きな分岐点にある中、北海道5区の補欠選挙が予定されている。私は今までにない危機感を覚えている。何とかして戦い抜きたい。だから何回でも来る」と力を込めた。今回各地を回った手ごたえについて「人が少ない地域で人がこれだけ集まってくださったのは関心が高いのだと思う」と述べた。消費税増税問題については「安倍総理が『リーマン・ショックのようなことがない限り、必ず消費税を上げる』と言って衆院を解散した。2017年4月から上げることができないとなれば、これは重大な公約違反だ。したがって、それは内閣総辞職に値する」と追及した。