岡田克也代表は2日、静岡県を訪れ、静岡3区総支部長の小山展弘衆院議員の国政報告会で講演した。参院選では静岡県選挙区から平山佐知子(ひらやま・さちこ)さんが立候補する予定であることから、「ぜひ皆さんの力を平山さんに結集してほしい」と支援を呼びかけた。
その上で岡田代表は、参院選の争点の1つは「生活、経済だ」と語り、消費増税の再延期を表明した1日の安倍総理の記者会見に触れ、「1年半前の衆院解散の時も、消費税引き上げを延期したが『次は必ずやる』と断言した。しかし今回さらに先送りして、今の安倍総理の任期からすれば、予定通り増税するか先送りするかを決めるのは安倍総理ではなく、次の総理大臣だ。安倍総理は単に『自分の任期中はやらない』と宣言したに過ぎない。あまりにも無責任だ」と批判した。
さらに「(安倍総理は)『アベノミクスのエンジンをふかす』と言っていたが、そのエンジンにガタが来ているのなら、アクセルをふかしたら車は空中分解してしまう」と、金融政策頼みのアベノミクスの限界を指摘。非正規雇用の拡大を後押ししてきた雇用政策を見直し、格差の少ない社会を実現するため社会保障などを通じて、成長戦略と再分配を両立する経済政策に変えていこうと訴えた。
平山候補予定者は、立候補が決まってからの5カ月で多くの人々の声を聴いただけではなく、昨年3月まで16年間、NHK静岡放送局で非正規の契約キャスターとして働く中で見てきた現実、声なき声があったと語り、「声を聴いた責任と、私自身が経験した厳しい現実をしっかりと胸に抱いて、経験者だからこそ上げられる声を上げていきたい」と訴えた。
さらに、「将来のある、未来のある若い人たちが笑顔で夢が持てる社会を築くために声を上げていきたい」として、児童扶養手当の拡充や渡し切りの奨学金の実現を主張し、また、夫婦共働きでも生活の苦しさが変わらない現状に、「コツコツと働いて税金を納めている人にスポットが当たる政治を実現したい」と訴え、「皆さんの思いを私に託してほしい。初挑戦だが、全力で頑張る」と力を込めた。
小山議員は衆院農林水産委員会理事としての今国会での取り組みなどを紹介し、安倍政権では農家の現場を知らない規制改革会議が「上から目線」の農業政策を進めようとしている実情を報告。自身が尊敬する二宮尊徳の「田畑山林は人民の勤耕にあり」という言葉を紹介して、「『殿様のおかげで田畑が実った』ではなく、『みんなで一生懸命働いたから田畑が実る』と二宮尊徳は言った。国も同じで、『日本の繁栄は国民の勤労にあり』のはずだ。しかし安倍総理は『アベノミクスのおかげで日本は良くなった』と、大きな勘違いをしている」と批判し、人々が意欲をもって働けるようにしなければ日本経済の課題は克服できないと主張した。