民進党の枝野幸男幹事長は4日、福井県を訪れ、参院選福井県選挙区に立候補を予定している横山龍寛(よこやま・たつひろ)さんとともに勝山市内の勝山サンプラザ前でマイクを握った(写真上は枝野幹事長とともに街頭演説会でマイクを握る横山たつひろ氏)。
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演説する枝野幹事長
この中で枝野幹事長は、3年半の安倍政権を振り返り「安倍さんのやっていることは弱肉強食、競争万能、自己責任の強調だ。競争は社会に必要だし、海外の良いものを取り入れるのもけっこうだ。しかし社会の基盤に必要なのは、私たちの故郷や社会が500年、1000年と積み重ねてきた支え合いと助け合いだ。これを壊しているのが安倍政治だ。ところが守っているのが安倍さんだと勘違いしている人がいっぱいる。本当の意味で『故郷を守る』『歴史と伝統を守る』『支え合いと助け合い』『共生社会』を創り上げていくために力を貸してほしい」と訴えた。
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福井県内で長年、働く人たちの労働環境の改善に取り組んできた横山さんは、規制緩和によって正社員がどんどん非正規雇用に置き換えられ、また大学卒業者の3人に1人しか正社員になれないという働き方の格差問題によって貧困家庭が増えていると指摘。こうした現状に対して「政治が格差を改善すべきである。しかし3年、5年と格差解消に時間をかけている場合ではない。その間に子どもたちは育っている。子どもたちに対しては早急な手当てをする。そういった政治を目指していきたい」と格差是正に取り組む決意を示した。
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福井市内で記者団の質問に答える枝野幹事長
福井市に移動した枝野幹事長は、衆院福井第2区の民進党公認が内定した斉木武志さんとともに記者会見を開いた。「斉木さんはいわゆる落下傘だが、スタートラインが何であるかは政治家にとって問題ではない。実際に地域の声をしっかり受け止めて、それを当選後に実現できるのかどうか。地域のために本当に仕事ができるのかどうか。それが政治家として問われている。斉木さんはまさに地域のために仕事ができる仲間であり、福井のために大きな政治家になると自信をもっている」と力説した。
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斉木武志氏
福井県2区から国政にチャレンジすることになった斉木さんは、原発関係交付金の見直しに最優先で取り組みたいとの考えを明らかにした。医療、教育、福祉などあらゆる分野に原発関係交付金が使われている福井県で、原発停止によって年々減少している交付金をいかに維持していくかが大きな課題になっていると指摘。この問題の解決には、「原発の稼働ベースから存在ベースに交付金の算定基準を見直すべきだ。これは法令事項ではないから政治判断があれば明日にでもできることだ」と強調した。