蓮舫代表代行は13日、今夏の参院選で宮城県選挙区から立候補を予定している桜井充参院議員の激励のため宮城県入り。仙台市内で街頭演説を行うとともに若者とのトークセッションにも参加し、「政治は身近なものだ」と訴えた。

蓮舫代表代行

 仙台市青葉区にある東北大学キャンパス前の街頭演説で蓮舫代表代行は、学生らを前に「政治は遠くない、皆さん方のそばにある」と強調。「若い人たちが政治に関心を持たないと、残念ながら政治はストレートに皆さん方のための仕事をあきらめる。戦後71年、1つの大きな政党がこの国の政治を担ってきたなかで、皆さんたちの先輩も、お母さんたちの世代、おじいさんたちの世代も、若い人たちは政治への関心が薄かった。その結果どうなったか。今皆さん方には1千兆円の借金が背負わされ、借金が増えて自分たちの受けられるサービスがどんどん薄くなってきた。残念ながらこれが日本の政治の実態だ」と指摘した。

 70代、80代の投票率が7割を超えるなか、「気がついたら保育園をつくるよりも特別養護老人ホームがつくられてきた。大学の授業料を安くしようというベクトルよりも介護保険料を安くしようというベクトルが動いてきた。奨学金を無利子にしようというベクトルよりも年金を上げていこうというベクトルが動いてきた」と高齢者重視の政策が進められてきた実態に言及。「民進党や、宮城県の代弁者である桜井議員は、若い人たちに抗ってもらいたいと思っている。人口が減って投票率が低く、政治は何もしてくれないとあきらめていたとしても、私たちは次の世代につなぐ政治をつくりたいとこれまでもこれからも訴え続けていく」と力を込めた。

 「夢をあきらめる前に夢を持つことさえ難しくなってきた日本で、残念ながら今の政治は皆さん方の声よりも、この国を豊かにしてくれると信じられている大企業の声をいまだに重視している。法人税の引き下げにより、この2年間で8千億円。8千億円あれば80万人の奨学金をただにすることができる。いったいどちらがこの国の将来に投資をする税金の使われ方か」と蓮舫代表代行は提起。民主党政権時代に子ども手当や高校授業料の無償化など将来に向けた種まきの政策を進めてきたことにも触れ、「民進党は『社会保障の充実』『現役世代の安定雇用』『少子化を支えること』を新しい3つの柱として、得られた果実を次の世代にしっかり返していく。人への投資の好循環をつくっていく」と説いた。

桜井議員

 東北大学大学院出身の桜井参院議員は、自分の学生時代とは違い国立大学授業料の引き上げや親の所得の減少などの理由から、奨学金受給者率が年々上昇し、5割を超えている現状を説明。制度についての十分な説明を得ないまま奨学金を借りたため、卒業後重い負担を強いられているとして、「大学卒業後、ゼロからのスタートではなく、借金の返済をしていくというマイナスからのスタートになっている。若い人たちが夢や希望を持って社会に出ていくためには返済義務のない、給付型奨学金制度に改正すべきだ」と主張した。

 国立大学の授業料引き下げや給付型奨学金制度の創設をめぐっては、国会審議でも求めているにもかかわらず実現できない理由として、日本はGDPに占める教育機関への公的支出の割合がOECD(経済協力開発機構)諸国の中で最低レベルにあることを指摘。「政治は皆さんにとって遠いもの、興味のないものかも知れないが、国立大学の授業料も奨学金の問題も全て政治の場で決まってくる。政治が変われなければ暮らしは変わらない。政治をあきらめてしまっては何も変わらない。政治を、政治家をあきらめず、われわれ民進党にかけてほしい。若い人たちが夢や希望を持って生活できるようにこれからも全力で頑張っていく」と訴えた。

 蓮舫代表代行と桜井充参院議員は若者とのトークセッションにも出席し、「高すぎる学費、どう思う?」「将来、結婚・出産・子育てってできるの?」をテーマに、給付型奨学金の必要性や仕事と子育てを両立できる環境づくりの必要性などをあらためて説いた。質疑応答では、参加した学生から、今後日本が直面する課題や憲法改正、パナマ文書など幅広い質問が出た。

若者とのトークセッション

若者とのトークセッション