岡田克也代表は14日、神奈川県大和市を訪れ、参院選神奈川県選挙区に党公認で立候補予定の真山勇一参院議員の街頭演説会に参加した。

真山勇一参院議員

真山勇一参院議員

 真山議員は自身のニュースキャスターをしていた経験を紹介し、政治が私たちの暮らしにどのような影響を与えてきているのかを訴えていきたいと述べたうえで「私はテレビのニュースが大事だからこそ、公正公平に政府にも厳しい言葉を投げかけてきた。国会議員になっても信念は変わらない。分かりやすく伝えていくことが何よりも大事なこと。『政治は難しくてわからない、直接関係ない』と思う人がいるが、そうじゃない。政治を真剣に考えたら、暮らしと結びつく。政治を変えれば暮らしも変わる。メディアにいた時と同じ気持ちで政治の世界に向き合っている。ところが安倍政権は、メディアが伝えることを隠してしまったり、国民にとんでもないことを言ったり、違う方向を向かせてしまう。そういうことが起きてしまっている」と、自身の信念とは安倍政権が違う方向を向いていると指摘した。

 さらに「消費税の先送りも起こっている。新しい判断といって説明している。これもおかしい。先送りするならふさわしい理由を説明しなければならない」「安保法制は憲法に反していないと言い張るが、大部分の学者が集団的自衛権は憲法違反だといっている。なぜ認めないのか。こうしたことが重なって、国民を変な方向に導いている」と安倍政権の姿勢を重ねて批判。原発政策、特定秘密保護法や安保法制の強行採決をしてきた安倍政権の強引な運営への危機感、そして安倍政権が憲法を改正して戦争ができる国に変えていこうとしているのではという危惧(きぐ)を表明したうえで、最後に「何より大事なのは人の命、人の命を大事にすることが政治の役割、義務だと思っている。国民のための政治を取り戻したい」と述べて締めくくった。

岡田克也代表

岡田克也代表

 岡田代表は、まず最初になぜ民進党をつくったのかという話から始めた。「なぜこの党をつくったのか。わたしと江田憲司さん。それぞれ党を代表する立場で昨年の1月から話をしてきた。どうしたら安倍さんの暴走を止められるか。やはり野党がバラバラではだめだ。旧民主党と旧維新の党と考え方はかなり近い。一緒に変えていかなければだめではないかという考えで一緒になった。もう一度、日本の政治に政権交代できる政党をつくるために民進党を立ち上げた」と民進党結党の経緯を説明した。

 演説会を開いた大和市が甘利前TPP担当大臣の選挙区であることにも絡めて、同氏の政治とカネをめぐる問題にも触れた。「国会が終わって記者会見をした。なぜ国会が終わるまで出てこられなかったのか。いろいろな説明が求められているはず。ご自身も秘書のこともそう。大臣室で50万円、地元事務所で50万円受け取っていることが分かった。もっと追及すべきことがあったが、それを避けているのはどうしたことか。国会が終わってから会見したのは、安倍総理自身もそうだ。消費増税先送りは国会閉会のその日に行った。私は5月末の党首討論で先送り賛成だと言ったが、その時は『リーマンショックのようなことがない限り、消費増税する』と答え、国会が終わって先送りする。あまりにも不正直だ」と甘利前大臣、安倍総理ともに国会を閉会して記者会見を行った不誠実な姿勢を厳しく批判した。

 経済政策の転換の必要性も訴えた。「成長も大事だし、同時に分配も大事だ」と語り、旧民主党政権時代に高校無償化を実現したことや、消費増税を決めた旧民主党、自民党、公明党の3党合意の中に低年金者に給付金制度をつくった実績について説明し、「一人ひとりが安心して生活でき豊かになる希望を持つことができる、そういう社会にすることと、経済を大きくすることが車の両輪としてうまく動くことで日本全体が大きくなっていくような経済政策を考えている」と述べた。

 岡田代表は演説の最後に、「過去2回の国政選挙を思い出してください。『アベノミクス3本の矢』これが争点だと言って、(選挙後に)特定秘密保護法をやった。『アベノミクスこの道しかない』、アベノミクス解散だと言って、選挙後にやったのは安全保障法制。もう2回やっている。今回、憲法改正が争点じゃないと言っても、3分の2の議席を取ったらやるだろう。3回だまされたらだめだと思う」と危機感を訴えて話を締めくくった。

声援にこたえる岡田代表と真山議員

声援にこたえる岡田代表と真山議員