岡田克也代表は17日、神戸市内を訪れて、参院選に党公認で立候補を予定している水岡俊一(みずおか俊一)参院議員の街頭演説会に参加した。
水岡議員は安倍政権の経済対策について話した。「安倍政権は、アベノミクスと称して経済対策をやってきた。すべてダメだったとは言いません。多少のカンフル剤になったのは事実。株価が上昇し、円安になり潤った企業があるのも事実。しかし、皆さん方の生活がどうなったかが問題。この3年半、豊かになったと言われる方はそんなに多くないはず。それほど良くなっていない。『逆に苦しくなった』そういう方もいらっしゃる中で、ここでいまの政治経済対策をしっかり考えていくべきだ」とアベノミクスからの転換を説いた。また、消費税増税の再延期に関して、安倍総理が国会での議論を経ないで発表したことについて「これは、日本の国民みなさんの重大な課題。みなさんの代表が集う国会で議論するのが当然。そうでなければ民主主義の意味がない。勝手に総理が決める、社会保障と税の一体改革をどうするのか、重大な課題を国会で議論しないで決めるのであれば独裁政治。日本には独裁はいらない」と断じた。
「いまの安倍政権は皆さん方に訴えることがなくなってきている。隠すことばかり。隠して、あまり話題にしてほしくないことがたくさんある。選挙が終わるまでは明かさない。そうした魂胆が見え隠れする」と安倍政権の隠蔽体質に触れつつ、元教員らしく「この兵庫の働く仲間たち、高齢者の方々、そして一番気にしているのは兵庫を将来背負っていく若者、子どもたち、そういった方々のために政治をしていきたいという思いでいっぱい」と若者や子どもたちのことを思いやりこれからも頑張っていく決意を述べた。
続いてマイクを握った岡田代表は、民進党を結党したことについて「安倍政権の暴走を止める。政治の流れを変える。やがては衆院選挙でもう1回政権交代の可能な状況をつくりだす。そのために力を合わせていま頑張っている。ここの衆院選挙区は(旧維新の党の)井坂さん。若いけれども素晴らしい政治家です。若い新しい仲間と一緒になって民進党を立ち上げた」と述べた。
現在の経済の状況について「安倍総理のもっとも頼っていたのは円安と株高。いまや円高になりつつあり、株も乱高下。アベノミクスをけん引するものがなくなって、行き詰っている。では何が足りないか。成長は大事、そのための構造改革も必要。同時に大事なのは分配。分配と成長をいかに両立するかが政治の最も大事なところだ」と安倍政権とは違う経済政策をアピール。「例えば、人に対する投資。日本は資源がないので、一人ひとりの人が能力を発揮することが、長い目で見て成長につながっていく」と述べ、旧民主党政権時に実施を決めた高校無償化に続いて、給付型奨学金の創設など奨学金制度を拡充すべきだと訴えた。
平和の問題についても取り上げ、「安倍総理は『平和主義とは侵略戦争をしないこと』だと答弁した。日本国憲法の平和主義は侵略戦争をしないという消極的な意味しかないのか。侵略戦争はもともと国際法違反であり、そんな当たり前の意味しかないのか。今まではそうは考えてこなかった。海外で戦争があったときに、自衛隊を派遣して、武力行使をして物事を解決する、そういうことをしないのが憲法の平和主義だ。それを変えるのか。自民党の憲法改正草案には自衛権の行使は妨げないと書いてあり、安倍総理は自衛権の行使とは集団的自衛権を含むと答弁ではっきり言っている。憲法を変えて限定のない集団的自衛権の行使を認めようとしている」と自民党の憲法改正草案による憲法改正に強い懸念を表明した。
岡田代表のあとには、井坂信彦衆院議員がマイクを握り、演説会の締めのあいさつを行った。