枝野幸男幹事長は18日、鹿児島市で開かれた「下町かずみ君を激励する会」であいさつに立った。
枝野幹事長は、人材不足の介護職員や保育士の給料が安いことについて「みんなが『足りない』と言っている仕事を一生懸命やっている人の賃金は高くなければおかしい」と、農業などの第1次産業についても、「水と空気と大地と緑、そして地域を守るという価値をお金に換算した時、『これでは子や孫に継がせられない』というのはおかしい」と指摘。民進党が提案している介護職員・保育士の処遇改善、農家への戸別所得補償など「私たちには堂々たる対案がある」と述べ、「介護や保育、第1次産業、こういう皆さんの暮らしの底上げをすれば地域でお金が使われ、地域を元気にすることができる」と主張した。
その上で、農林水産省で働き、組合活動をしてきた経歴を持つ下町かずみ候補予定者について「水や緑を守っていく仕事に携わり、安定的な雇用を守る仕事にも携わってきた。まさに、時宜を得た人、それが下町かずみさんだ」と述べ、「もはや自民党は保守ではない。保守どころか、日本を壊しまくっている。そのことをより多くの人たちに気付いていただいて、暮らしを守る、地域を守る、水と緑を守るという力を、下町かずみさんに結集して厳しい戦いを勝ち抜こう」と呼びかけた。
下町(しもまち)かずみ候補予定者は、地域の抱える問題について「高度経済成長期、農家は子どもを都市に送り出し、農閑期には出稼ぎに行った。今も同じだ。大学に進学するとき、就職するとき、子どもたちの半分は都市に行く。これでは地方が疲弊するのは当たり前だ。ここを何とかしなければならない」と述べ、「私たちは流されていないか。『非正規でしか働けないのは自分の能力がないからだ』とか『地方が廃れるのはしょうがない』とか、そんな風に思い込まされているのではないか」と問題提起し、「この国の主権者は私たちだ。安倍政治は、立憲主義・民主主義をないがしろにして、地方を、暮らしを、労働を、医療を、農業をないがしろにする。安倍総理は、『医療と労働は岩盤規制だ』と言った。岩盤規制は生活の基盤だ。これを、この国の主権である私たちの手に取り返す、その戦いがこの夏の戦いだ。その一里塚をつくるために、必死で走る」と力強く決意を表明した。
来賓として駆け付けた連合の神津里季生会長は、安倍政権下での2度にわたる消費税増税先送りについて、「先送りは消費増税だけじゃない。社会保障を先送りし、1000兆円を超える国の借金という将来世代へのつけ回しも先送りし、経済を良くするということも先送りした。『先送り3点セット』だ」と主張した。また、安倍総理の記者会見での「これまでのお約束とは異なる新しい判断」という発言についても、「そんなものが許されるなら、何の約束もできない。人として、政治家として、一国の総理として、『それは許されない』という厳しい目線を一人ひとりが政権に浴びせる必要がある。鹿児島の地からそのうねりを起こしていただきたい」と呼びかけた。