枝野幸男幹事長は26日、埼玉県大宮市内で大野もとひろ候補者とともに街頭に立ち、「大野さんは日本の安全保障について地に足の着いた議論のできる人。大野さんの議席は安倍政権の暴走を止めるために欠かせない1議席だ」と支援を訴えた。

枝野幸男幹事長

枝野幹事長と大野候補

 枝野幹事長は「皆さんに知っていただきたい。安倍総理は、尖閣諸島や北朝鮮のミサイルなど、日本の領土・領海を取り巻く変化を言い訳にして安保法制を強行したが、この11本の安保法の中には、1条たりとも日本の領土・領海を守るための条文は入っていない。全部、自衛隊が海外で活動、戦争するためだ。日本の領土・領海を守るためだというのは大うそだ」と訴えた。

 さらに、「争点は経済だ」と言いながら、過去2度の国政選挙では特定秘密保護法や安保法制を強行したことから、今回の選挙の後には必ず憲法改正に乗り出すと指摘し、「本当に憲法を変えたいのなら、どう変えたいのか堂々と訴えればいい。訴えたら支持されないのが分かっているから、『経済、経済』と言ってごまかしている。こんな卑怯なやり方で憲法を触ろうとしてる、その卑しい根性が許せない」と怒りを込めて批判した。

大野もとひろ候補

大野候補

 外交・安全保障の専門家である大野もとひろ候補は、先般の中国海軍の艦船の領海侵入について「安保法制があるのになぜ対処しないのか。その理由は、あの安保法制には、領土・領海を守る条文がないからだ。もっぱら自衛隊を海外に派遣して米軍の下請けにする、そんな法律を認められるわけがない」と主張した。

 さらに「(現在の安保法制で)絶対に許せないことは『自衛官を守らない法律』だということだ」と力を込めた。民主党政権時、シリアのゴラン高原に派遣されていたPKO部隊を、当時、防衛大臣政務官だった大野候補が進言して政府に撤退を決断させたというエピソードを紹介し、「自衛官は命令されれば必ず行き、自分たちでは撤退できない。だから政治家がその判断をしなければいけないが、安倍政権の安保法制では、国連に従ってPKO活動をした結果、その自衛官は国内法で逮捕されかねない法律だ」と憤った。

 その上で、「こんな法律を通してしまったことを、国民にも、自衛官にも、将来の子どもたちにも胸を張って言えない。だからもう一度この議論をして、正しい政治を取り戻したい」「ぜひ大野もとひろを押し上げてほしい。私には勝たなければいけない理由がある」と強く訴えた。

 大野候補者はこの日、大宮駅前で朝8:00~夜8:00までの12時間連続街頭宣伝活動を実施。こうした大野候補の取り組みを応援するため、県連代表の大島敦衆院議員をはじめ小宮山泰子衆院議員など埼玉県連所属国会議員、県内自治体議員が集結し、さらに近隣都県からも松原仁、長島昭久、後藤祐一、神山洋介、大西健介ら各衆院議員、安井美沙子参院議員が応援に駆け付けた。

この子らの未来のためにも、勝たなければならない選挙

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長島昭久ネクスト外務大臣(右)も応援に駆け付け、ビラを配る

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【枝野幹事長と記者団とのやりとり】

 枝野幹事長は、大宮市内での演説に先立ち千葉県市川市で記者団の質問に応じ、多くの選挙区で激戦となっている現状に対し、今後どのように票の積み増しを図っていくかと問われ、「安倍政治に疑心と不安をお持ちに方に、きっちと投票に行っていただけるようにに呼び掛けていくことができれば、ほとんどの1人区は勝てると思っている」と自信を見せた。また、この日、岡田代表が自身の地元である三重選挙区で党公認候補者が当選しなかった場合は次期代表選に立候補しないとの意向を示したことについてはコメントを避けた。