30日、枝野幸男幹事長は、福島県福島市で「野党3党・ましこ輝彦合同街頭演説会」に参加し、ましこ輝彦候補の応援演説を行った。枝野幹事長は「ましこ候補も私も政党もみんなで頑張るが、本当の主役、民主主義の主役は皆さん。ぜひ皆さんの力で安倍政治にノーを突きつけよう」などと述べた。
枝野幸男幹事長
枝野幹事長は冒頭、安倍総理や自民党の幹部の選挙中の訴えについて「あぜんとしている。聞こえてくるのは野党に対する悪口ばかり。まずは野合だという批判。民主主義というのは皆人それぞれ意見が違うのだから、すべての意見が一致するなんてことはできない。そのときそのとき一番大事なテーマは何なのか。その大事なテーマでしっかり代弁してくれる人を代表として国会に送る。しかも福島では1人しか選べない。今の日本にとって大事なことは何か。1つは安保法制による立憲主義の破壊。3分の2を取って憲法の破壊。こうしたことを許すか止めるか。そしてアベノミクスで格差拡大し、貧困が拡大し、都市と地方の差が拡大している。これにエンジンをふかすか、方向転換をするのか。この2つが大きなテーマで野党4党は一致している。ましこ候補がその声を代弁して国会で戦ってくれる。だからこそこうして皆に集まっていただいていると思っている」と安倍総理や与党の批判への反論として野党共闘の意義を強調した。
福島第1原発事故時の通報・報告に関し検証を行うと称して東京電力が設置した「第三者検証委員会」が、東電の身内にしか話を聞かずに、炉心溶融という言葉を使わないように「官邸からの指示」があったかのように勝手に発表した問題にも言及した。「私は当時の官房長官として決して100点満点とは思っていない。そうしたことについては政治を仕事をしている限りは一生背負っていかなければならないと思っている。でもうそは困る。事実と違うのは困る。2011年の3月13日午前11時からの記者会見と翌14日の夜9時からの記者会見で2度にわたって私自身が炉心溶融の可能性を認めている。私が認めているのになんで口止めをするのか」と話し、と東京電力の第三者検証委員会の炉心溶融の件は「全くのうそ」だと断じた。「福島の皆さんがあの事故以来背負っている苦労を考えたときに、事故を党利党略で悪用し、デマを流し、政争の具にする。こんなことを許していいのかと思う」「この3年半、本当に復興は加速したか。皆さんの暮らしは、しっかりとあの震災前の状況に近づいているか。残念ながら上っ面だけがどんどん進んでいく。アベノミクスと一緒じゃないか」と悲惨な事故を政争の具にしている政府の復興への対応について怒りをあらわにして訴えた。
ましこ輝彦候補
「今回の選挙で国政選挙は10回目になる」というましこ輝彦候補は衆院議員3期、参院議員を2期務めるベテランで今回参院3期目を目指す。
ましこ候補は各報道の世論調査の結果に触れて「序盤戦ということで改憲勢力が3分の2を上回る勢い。もしそうなったら間違いなく安倍さんは憲法9条改正に突き進むと思う。これでいいのか」と集まった市民団体や聴衆に問いかけた。「基地問題がある沖縄と原発事故災害があった福島は、安倍総理にとって大変なある意味でのアキレス腱」と指摘し、自民党の現職大臣が立候補しているこの2選挙区で何としても勝利しようと訴えた。