民進党「次の内閣」ネクスト厚生労働大臣
川田龍平

 先月26日未明、神奈川県相模原市内の障害者施設で、19名が惨殺され、職員を含む26名が重軽傷を負った大変痛ましい事件が起きた。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族、ご家族の方々に心よりお悔やみとお見舞いを申し上げる。今回の事件を受けて心身ともに傷つかれた全ての方々の一日も早いご回復を祈念する。

 事件から1週間が経過したが、現場となった施設・被害者等に対する政府の支援は十分とは言い難い。政府は速やかに、事件の全容解明に加えて、施設の体育館等での生活を余儀なくされている入所者の居住の場の確保、被害者や入所者、ご家族、施設の職員への心のケア等に全力を挙げて取り組んでいくべきである。

 政府は今回の事件を受けて、施設の安全確保の強化、措置入院後のフォローアップなど再発防止策を検討しているが、事件の詳細が不明確なまま、被疑者に措置入院の経歴があることだけをもって、短絡的に精神医療のあり方の見直しと警備の強化のみに再発防止策を求めるべきではない。政府は、事件の背景にある障害者に対する差別意識を根本的に解消していくことなど、個人的な案件に落とし込むことなく、社会的な対策を打ち出すとともに、共生社会の理念を強く発信していくべきである。

また、本件では被害者が匿名で報道されているが、今後、事件報道のあり方について検討を深めていく必要がある。

 どのような障害があってもなくても、命を大切にし、共に地域社会で生きていく存在であるということを、私たち一人一人が共有すべきである。私たちは、幼い時から障害のある子もない子も共に育ち、共に学ぶインクルーシブ教育の推進など、地域における真の共生社会の実現に努めていきたい。

以上

PDF「20160802【談話】神奈川県相模原市の障害者殺傷事件を受けて」【談話】神奈川県相模原市の障害者殺傷事件を受けて