民進党は19日午後、国会内で「ムダ遣い解消プロジェクトチーム――ダレノ(誰の)ミクスプロジェクト」(江田憲司座長=党代表代行)の第1回会合を開き、設置の趣旨を確認するとともに、今後の取り組みに関して協議した。同プロジェクトチーム(PT)は蓮舫代表直属の機関として位置づけ、民主党政権時の事業仕分けに端を発し、現在も政府部内で作成が続いている行政事業レビューシートや200近い基金シートを徹底的に精査し、税金の無駄遣いを解消していくために設置された。

あいさつに立った蓮舫代表

あいさつに立った蓮舫代表

 冒頭であいさつに立った蓮舫代表は、「安倍政権はいよいよ補正予算を借金に頼る、先祖返りの様相を呈してきた。他方で所信表明演説には行政改革という言葉がついに消えてなくなった。われわれは改革政党なので、『これが行革だ』ということを私たちがきっちり示していく。そして、国民の皆さんにご納得いただいたうえで、痛みさえも提言していける責任ある政党だということをしっかり打ち出すことが大事だと思っている。江田代行が率先してリーダー力をもって動いてくださり、しかもメンバーは行革に長けた皆さんで専門性も持っているので大いに期待している。ぜひ成果を出してほしい」と求めた。

 続いて江田座長は「アベノミクス、アベノミクスと呪文のように唱え続けても景気は回復しない。3本の矢というが、一番問題なのは第2の矢の財政出動。相変わらず自民党の支持基盤におもねるためか、公共事業へのばら撒き、またニーズのない基金にとりあえず税金を積んでいる。こんなことをやっている場合ではない。介護や年金や子育て支援の予算を切りながら、こうしたばら撒きをしている。ここにしっかりと切り込んでいく」「目に見える形で1億円でも10億円でも100億円でも税金のムダ遣いを解消していく。ありとあらゆるツールを使い、国民の声も聴きながらしっかりと成果を出していく」と述べた。

 会合ではチームメンバーである各国会議員の担当分野について確認。各自が分担し、具体的な無駄遣いの案件を出していくことにした。また、党のウェブサイトに「目安箱」(仮称)を設置し、国民各層から無駄遣いの案件等について広く募り、並行して議員各自のウェブサイトやSNSも活用して、無駄遣いの情報党も広く集めることとした。江田座長が会合後に記者団に語った。

 江田座長はアベノミクスの第2の矢の財政出動に関して「公共事業のばらまきだし、基金の『ブタ積み』に終わっている。決算ベースで公共事業毎年10兆円をばらまき、年間2兆円も3兆円も使い残している。ニーズのない基金に税金を積んで、毎年数千億円ベースで国庫に返納されているという実態がある。にもかかわらず、一方では総合合算制度で低所得者への医療・介護負担の上限を定めるのは4000億円でできるのだが、これもやめる。また、低年金者に月々5千円を支給するのも5600億円でできるのだが、これも安倍政権は10%増税が先送りされたからと称してぶった切る。こんな理不尽なことは絶対許せない。ということで徹底的に公共事業、補助金事業、基金事業等々を洗い出す」と述べた。

ムダ遣い解消プロジェクトチーム第1回会合を開催

ムダ遣い解消プロジェクトチーム第1回会合を開催