細野豪志代表代行は30日午後、定例の記者会見を国会内で開き、(1) カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備推進法案(2)政策アップグレード検討会――等について発言した。

 いわゆるカジノ法案の審議の進め方については、与党が職権で衆院内閣委員会の開会を強行したことを問題視し、「与党内にもさまざまな意見があるなか、こういった形での委員会入りは認められない。他の委員会での審議には応じるが、内閣委員会の正常化に向けては予算委員会の集中審議を開くことが前提となる」と述べた。カジノ解禁については、「今この時期、国民的理解がないものをやるべきではない」との考えを示した。

 政策アップグレード検討会については、「明日4回目の総会を開く。そこでたたき台を提示し、党内から広く意見をいただきたいと思っている。総選挙の可能性は常にあり、その時には目玉政策としてしっかりと打ち出していく。選挙がなくても、民進党の根幹となる政策として、日本社会の10、20年後を見据えて党内議論を深めていく」と話した。

 蓮舫代表の下での「提案路線」の実際についての評価を問われ、「自衛隊員救急救命法案など、いくつか重要な提案は出来た。今後は、経済政策や憲法など、中核的な問題でどこまで提案できるかが来年以降の課題だ。踏み出したがまだ道半ばではないか」と答えた。

 福島第1原発事故の処理にかかる費用の見込みが5年前の5.4兆円に対して現時点で20兆円を超えると政府が試算していることについては、「想定通りにはいっていない。初めての事態への挑戦なので、ある程度水膨れすることはあり得るかなとは思っていた。そこも含めて国民の皆さんに説明する必要がある。隠していたとまでは言わないが、見積もりが甘かったという意味では指摘は当たっている部分がある」と答えた。その上で重要なことは、今のスキームでやれるのかどうかだと述べ、「そろそろ深刻な状況になってきている。東電を政府がサポートする形で本当にやりきれるのか」と指摘した。

 党首討論で、蓮舫代表と安倍総理にどういう議論を期待するかという問いには、「1対1なら政治家としての核みたいなものが見える。まずは巨大与党の安倍総理に正面から臨む姿勢を見たいと思う。その後、何回かやる中で存在感を示すことができれば、おのずと党全体を活性化することにもつながる」と話し、期待感を表明した。

 天皇陛下の生前退位などの問題について細野代表代行は、「天皇陛下や皇族の発言を政府は正面から受け止めるべき問題だ。あるべき天皇像は国民と寄り添う天皇像だと思う。陛下はそれを守り次につないでいきたいという思いを持っていると思う。(政府の有識者会議では)あるべき天皇像の議論がなされていない」「最低限、女性宮家の問題を議論しなければ皇統が途絶える可能性がある。この問題に正面から向き合わない保守政党たる自民党は一体何なのかと強く思う」と答え、民進党としての考えをまとめ、そろそろ動く時期に来ているのではないかと述べた。