参院TPP特別委員会で8日、徳永エリ議員が集中審議の質問に立ち、(1)規制改革推進会議農業ワーキンググループによる農協改革の議論(2)TPP協定と漁業規定のあり方(3)TPP協定の食の安心・安全確保への影響――等について取り上げ、安倍総理らに質問した。
政府の規制改革推進会議ワーキンググループ(WT)が11月11日、農協改革についての提言をまとめたことについて徳永エリ議員は、今年4月1日に施行された改正農協法に基づき農協が自己改革案に沿って改革を進めているさなかであるにもかかわらず、異常な介入ともいえる提言を同WTがまとめたことを問題視した。特に提言が全農改革について「農協の人員の配置転換」「事業の譲渡」「売却」にまで言及するとともに、信用事業を行う地域農協の半減や組合員勘定制度の廃止――などにも踏み込んだことについて、安倍総理の考えをただしたが、安倍総理は明確な姿勢を示さなかった。
TPPが漁業に与える影響に関連して徳永エリ議員は、サメ漁、捕鯨、イルカ漁など、日本の各地域に伝統として根付いている沿岸漁業の方法を「残酷だ」と批判的な見方をする国もTPP関係国の中に見られると指摘し、TPP締約国に沿岸漁業への理解を深める努力が必要だと問題提起した。また、国内事情に基づき必要とされている漁業補助金などについて、TPP協定で禁止することがないよう求めた。
徳永議員は、強制労働や児童労働による生産物を輸入しないと定めた法律が日本に存在しないことも取り上げ、そうした労働を世界で助長させないよう法整備を求めた。安倍総理は「企業に対して社会的責任の取り組みを奨励している」などと答えるにとどまった。