蓮舫代表は15日、北九州市小倉北区を訪れて、小倉駅前で街頭演説を行った。

 蓮舫代表は、20日から始まる予定の北九州市議会議員選挙について、「北九州市民の明日のためにまっすぐにまっとうな候補予定者をぜひ選んでいただきたい」と聴衆に呼びかけた。

小倉駅前での街頭演説

 先の臨時国会で成立したカジノ解禁(IR)法について、「何でカジノ解禁がこの国の成長戦略なのか。カジノというのは、モノづくりやサービス産業と違って何も生み出さない」と断じたうえで、「日本の豊かな財産、それは人ではないか」と語った。この点で、北橋健治北九州市長が子育てに力を入れてきたことを強調し、自身が先日訪問した同市の「子育てふれあい交流プラザ」について「本当にそれぞれの年齢の子どもたちに適したサービスをしっかりと提供する行政サービスが細やか」と紹介。「だから、この子育てしやすい、命を守る市政をもう一度守っていかなければならない。皆さんが納めている1年間の市民税が何に使われているのかを決めるのは市議会。この北九州の借金は、今7千億円。北橋市長になってからずいぶん抑える知恵を出し合ってきている。市議会がしっかり動けば借金を抑えることも出ていく財政も細やかに選択と集中で可能になる。『誰かが何とかやってくれる』、残念ながらそういう時代はもう来ない。政治を動かさなければ皆さんの生活も守っていけない」と市政について市民一人ひとりが考えていくべきことを訴えた。

 街頭活動には福岡県選出の野田国義参院議員、城井崇福岡10区総支部長、司会の原田博史福岡県議のほか、1月29日実施の北九州市議選の公認候補予定者で現職の松井克演氏、世良俊明氏も参加した。公認候補予定者はこのほか現職の大久保無我氏、奥村直樹氏、白石一裕氏、浜口恒博氏、三宅まゆみ氏と元職の河田圭一郎氏、新人の福島直氏。元職の永岡啓祐氏も推薦予定。

笑顔で子どもと触れ合う蓮舫代表

笑顔で子どもと触れ合う蓮舫代表

■ぶら下がり記者会見

 蓮舫代表は北九州市内での遊説を終えて、記者団からの取材に応じた。

 北九州市議選の情勢については「まだ始まっていないので、率直なところ実感としては分からない。ただ、北九州市民に信じていただける、それだけの能力を持った人を公認をして、そして推薦をしている」と述べた。

 慰安婦問題をめぐって駐韓大使を一時帰国させた安倍政権の対応について問われると、「日韓で合意をした約束事が守られていなかったのではないか。取り得る手段は限られているので、仕方がなかった」と答えた。

 共産党大会が開かれていることを受けて、共産党を入れた野党連合政権構想について問われると、「安倍政権を倒すこと。ここにまず一番力を注ぐ。そのための4野党の国会内外での出来る限りの協力はこれまで以上に進めていく時だと思っている。そこから先の話は残念ながら共産党や私たちとは考え方が違う」と語った。

 北九州市議選の中で自民党や公明党との違いをどのように出すかについては、「今の政権はどちらかというと、公共事業に大きく傾倒している特色がある。同じ財源があるのであれば、やはり『人への投資』 、教育、保育、福祉に使わせていただきたい」と説明した。

 東京・築地市場の移転予定地である豊洲で有害物質の数値が急激に上昇していることについては、「原因をしっかり調査して、客観的にその数値が納得できるように公表していただければ」と述べた。