大串博志政務調査会長は1日、衆院予算委員会での2017年度予算に対する基本的質疑に立ち、(1)国会での議論のあり方(2)トランプ米大統領の政策(3)働き方改革による経済政策(4)文科省の天下り問題――などについて質問した。

 大串政調会長は、安倍総理が民進党に対して「反対ばかりだ。対案を出せ」と繰り返していることについて、「民進党は先の臨時国会で政府提出法案の83%に賛成した。また民進党は議員立法を57本も提出した。これは30本の政府提出法案よりも多く、安倍総理の言う批判ばかりで対案がないということには当たらない」とし、そのことを認識してもらいたいと述べた。

 米国のトランプ大統領がイスラム圏7カ国の米国への入国を禁止する大統領令を出したことについては、「この大統領令は、自由、平等、基本的人権など、安倍総理がこれまで推し進めてきた外交の基軸と違うのではないか。日本が進めたい基本的価値と違うなら、そのことをきちんと言わなければならない」「各国の首脳がこれだけきちんと懸念の声をあげている中で、日本だけコメントしないということは、トランプ大統領の入国制限を認めていることになるのではないか」と指摘した。安倍総理は、「入国管理は内政事項なのでコメントは控えるが、日本の立場は明確でゆるぎがない」などと答えたが、トランプ大統領の入国制限措置に対する安倍総理の明確な発言はなかった。大串政調会長は、「トランプ大統領に気兼ねがあるように見える。また貿易交渉問題についても、2国間交渉と言う相手の土俵に安易に乗らないように、時間をかけて議論して欲しい」と注文を付けた。