衆院法務委員会での共謀罪法案(組織犯罪処罰法改正案)審議3日目となる25日、野党筆頭理事の民進党の逢坂誠二議員、参考人質疑に立った山尾志桜里議員が参考人質疑終了後に国会内で記者団の取材に応じた。
逢坂議員は、「今日の委員会も職権で立てられた」と相変わらずの与党の強硬な委員会運営を嘆きながら、「参考人を呼ぶということもあり、法案の問題点が非常に多いと認識しているので、職権で立てられたが苦渋の決断で委員会には参加している」と心情を明かした。
今後の衆院法務委員会の運営については、「明日の委員会立ての提案があったが、政府参考人の問題について全くけりがついていない。先日の土屋発言もあり、日程協議に応じる状況にはないと主張しているが、数の力で職権立ての可能性も否定できない」とさらに与党が強行に運営してくることを懸念した。
参考人質疑に立った山尾議員は、同日の参考人質疑で一番大きなこととして、「専門家全員が一般市民が捜査の対象になりますよと言ったこと。(テロのターゲットになった)小林(よしのり)さんの、当事者が(共謀罪法案は)いらないと言っているところ」をあげた。
山尾議員は、与党である公明党が推薦した井田良中央大学大学院法務研究科教授の答弁の内容について、「捜査のスタートの時期も早まるし、対象範囲もそれは広がる類型的な危険がありますねと素直におっしゃったのもまた印象的」と述べ、「だから捜査の開始時期は早まるし、その対象となる人の範囲も広がるし、もちろん一般市民はその対象になると。当たり前のことがようやく当たり前に専門家に言っていただける法務委員会になった」と語った。
さらに山尾議員はオウム真理教のVXガスによるテロのターゲットとなった漫画家の小林よしのり氏が、「なによりもテロ対策でもっとも大事なのは水際対策ではないか。そしてまた、9・11の時にアメリカでは水際対策、空港でのチェック体制の責任主体を民間から国に変えているではないかと。なぜ日本でそういうことをしないんだ。そういうことやる方が本当のテロ対策だろう」という趣旨の答弁をしたことをあげ、「テロのターゲットになった方から、そういう言葉を聞けたのは大変大きなことだった」と強調した。