民進党は25日午後、共謀罪対策本部(枝野幸男本部長=衆院議員)総会を国会内で開いた。
枝野本部長は冒頭のあいさつで、衆院法務委員会での与党の強引な委員会運営に関して「1999年の国会改革の趣旨に真っ向から反する、そして衆院規則に反する運営がなされている。そして内容も『普通の人は対象にならない』というこれまでの説明が真っ赤なうそだということを政府自らが認めざるを得なくなった。普通の人も捜査の対象になり得ると副大臣自らも認めたし、今日の参考人質疑でも法律家・専門家の参考人は揃って『(一般人も捜査の対象になるのは)当然のことではないか』と述べ、与党推薦の参考人までもそう発言する状況だった」と指摘した。また、テロ対策にはまったくならないということもはっきりしていることに言及するとともに、「対象がどこまで広がるのかということもまったく説明ができない状況だ」と問題視した。
一方で、「テロ等準備罪」と名前に「テロ」がついていることによって国民は「テロに必要」といった印象でとらえがちで、世論調査でも聞き方によって答えがまったく違ってくる傾向にあるとの認識を示し、「(そうした状況下にあって)多くの国民の皆さんに(この法案は)『テロ対策ではない』、そして『普通の人も対象になる』ということをしっかりとお伝えしていくことに党を挙げて頑張っていく」と力を込め、党全体の活動と、法務委員会での厳しい論戦とを車の両輪として進めていく考えを語り、ゴールデンウィークを皮切りに、それぞれの地域で活動を強化していこうと呼びかけた。
同時にメーデーなどが各地で予定されていることを踏まえ、「(組織的)威力業務妨害罪が共謀罪の対象になっている。労働運動などが狙い撃ちされているということが、労働運動の皆さまの間でも共有されていないのではないかと危惧している。ターゲットはあなたたちですとお知らせすることを含めてゴールデンウィークを最大限活用し、大きな世論を喚起していく」とも訴えた。
蓮舫代表は「法務委員会の皆さまはこの法案がいかに看板に偽りがあるかということを、理をもって、論をもって明らかにしてくれている。テロ対策にならないことも、一般人が対象になることも、組織的犯罪集団と明示はしたが過去の共謀罪と主体は変わらないことが次々に委員会審議で明らかになった。驚いたのは、「きのこ」(の森林窃盗)は対象だが、「アワビ」などの海産物はいいなど。何よりも問題なのは強行な国会運営で明らかにしてしまった法務大臣の説明能力のなさ。副大臣と答弁が違うというのは最大の問題だ。その意味でも国民のためにならない。2020年オリンピック・パラリンピックはこの法案がないと開けないと言った総理の答弁が空疎に聞こえる」と指摘。「この問題ばかりの法案はぜひ廃案にしていく」と語り、共に頑張っていこうと出席議員に呼びかけた。
続いて逢坂誠二事務局長が共謀罪法案をめぐる衆院法務委員会での審議経過について報告するとともに、同委員会委員でもある山尾志桜里国民運動局長が共謀罪法案廃案に向けた当面のキャンペーン活動等に関して提案し、意見交換した。