安住淳代表代行記者会見
2017年4月26日(水)14時00分~14時17分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=XhcLVD8klto
■質疑
■冒頭発言
(なし)
■質疑
○今村復興大臣の辞任について
【読売新聞・高田記者】
ご承知のとおり、昨日、今村前復興大臣があのような発言(東日本大震災について「これがまだ東北で、あっちのほうだったからよかった」)をされて辞任された。党幹部として、また被災地出身の議員として、受け止めをお願いしたい。
【代表代行】
私は東北の、「あっちのほう」に住んでいる人間だけれども、本当に許しがたいと思っています。じゃあ東北の人間は犠牲になってもいいのかと、みんなそういう憤りは感じていると思う。
「不用意」では済まない。そういう点では本人が地元に来て、被災地に来てわびて歩いて、許してもらうようなことをちゃんとやらないとだめだと私は思いますね。「口が軽い」だけでは済まない話だと思いますよ、命に軽重もないし、地域も(軽重は)ないしね。東北の人間を本当に差別した発言なので、このままでは看過できないので、徹底的に追及したいと思います。
【NHK・花岡記者】
国会は早速、午前中から止まっていて、午後もなかなか開かれる見通しがないと思うが、国会審議に与える影響と、与党はどういう姿勢を示せば国会は正常化するとお考えか。
【代表代行】
それは山井和則国対委員長に聞いてください。
そもそも3代続けて、その前も、その前も、全く被災地に関係なくて、別の意味で問題があった大臣でしょう。やはり任命する人の熱意みたいなものを何も感じない。総理も口では、(被災地に)寄り添い、いろいろなことをやる、とおっしゃっているのだけれども、全く寄り添っていない人を連続して3年も大臣にしているのだから、「それ、どうなんですか?」ということは、逆に東北の皆さんに私は投げかけたいですね。「この政権、本当に皆さんのことを思っている政権ですか?」と、問いかけたいと思いますよ。
【NHK・花岡記者】
「共謀罪」の法務委員会、後半国会の目玉でもあると思うが、早速法務委員会も止まっている影響の中で、「共謀罪」が会期中に本当に採決できるのかという問題があると思うが、その点についてはどうお考えか。
【代表代行】
内閣全体の問題なので、こちらが審議拒否しているわけではなくて、大体、今日になって新しい大臣を認証するわけだから、そりゃあ国会、動けないですよ。たび重なる不祥事でしょう。身から出たものですよ、全部。安倍内閣の身から出たもの。そういう点では、重要広範議案が与党のペースでいかないということはやむを得ないのではないですか。
「共謀罪」は連休明けから本格的な山場に差しかかるとは思うけれども、本当に国民の理解が進んでいるとは思えないから、常識的にはやはり一度立ち止まって、本当にこのパレルモ条約等に関係する国内法の整備の範囲を逸脱していないのかどうか、真摯にやはり自分達で考える時だと思いますよ。
【テレビ朝日・白川記者】
今、被災地を回っておわびするような姿勢が必要だというご発言もあったが、議員辞職については安住さんとしてはどのようにお考えか。
【代表代行】
それに匹敵するような重い発言だと思っています。(今村前復興大臣は)もう20年も国会議員をやっていらっしゃるのだから、自分で考えたらいいのではないかと思う。
まして、我が国の復興の責任者でしょう。その人がこういう発言をしたら、やはりそれはなかなか国民は「はい、そうですか」とはならない。重みは自分で考えて判断したほうがいいのではないですか。
【テレビ朝日・白川記者】
いろいろ続いている、というご発言もあったが、安倍総理の任命責任、安倍総理の責任についてのお考えもお聞きしたい。
【代表代行】
(任命責任について総理は)自分で「ある」とおっしゃっているのだから、国会でちゃんと「申しわけない」ということで、質疑もしなければだめですよ。都合のいいメディアだけ集めて、そこの場で「私に責任が全部あります。申しわけありません。はい、さようなら」では済まないのではないかと言っているのです。
ちゃんと国会で、(本年度予算審議の)予算委員会以降1回も国会で、「予算委員会を開く」と言いながらやっていないのだから。都合のいいことだけやらせるメディアも問題ありますよ。総理は委員会の席できちっと話をしなければだめですよ。
【フリーランス・堀田記者】
さっき、「あっちのほう」と言ったのは、ちょっとまずいですよ。
【代表代行】
私は、その話を今言っているのですよ。彼がそう(「あっちのほうだったからよかった」)言っているのでしょう。「東北の、『あっちのほう』に住んでいる」って、そういうことなのではないですか。私、とっても不愉快です。
【フリーランス・堀田記者】
今、「都合のいいメディア」とおっしゃったが、これはNHK出身の安住さんに伺うが、官邸には大手は全部いるんですよね。
それが全部「都合のいいメディア」か。
【代表代行】
ぶら下がりをして、そこで済ませるのはよくないのではないですか。
総理にとっては集めやすくて、話しやすくて、質問もほとんどしない。そこで「ごめんさい」と言って済むわけはないんじゃないですか、と私は申し上げているのです。
【朝日新聞・斉藤記者】
冒頭の「看過できないので、徹底的に追及したいと思います」の、「徹底的に追及」する相手は、今村さん本人というよりも総理をというニュアンスか。
【代表代行】
もちろんです。辞めたらそれで国会で何も答弁しなくても済むと思うから、さっさと逃げていく。それは任命した人は責任があるのですよ、やはり。大勢の前でああいう話をなさっているわけだから。しかもこれ、2回目なのでしょう、自主避難の問題と。国会で全然答弁なさらないわけだからね、任命した人も。それはよくないのではないですか。今までの国会の慣例から言ったら、やはり国会の委員会にきちっと出て話すのが本当の意味でのおわびなわけであって、総理がそれをなさっていないのはおかしいと私は思いますよ。
【フリーランス・堀田記者】
今村さんの1回目のことで伺いたい。避難地域というのは20キロ、30キロと決めたが、そのほかの避難地域以外の自主避難について、その当時の菅政権、それからそれを受けた野田政権は、自主避難した人達に対しては、どのように状況が変わればもとのところにお帰りになるのですかということ等は全然やっていなかったと思う。政権が代わって、「はい、さようなら」みたいなことになっちゃっているが、そのことについてはどうか。
【代表代行】
全く認識が違います。震災後の1年、2年のところで、帰るなんて誰もわからないのですよ。今は6年たっているわけです。それを比較して「あの時、お前達がだめだった」という批判は当たりません。
【共同通信・中西記者】
今村大臣の辞任をめぐり、先ほど自民党・二階幹事長が講演で、「マスコミは余すところなく記録をとり、1行でも悪いところがあれば首を取れと。なんちゅうことか。そんな人は初めから排除して入れないようにしないといけない」と発言された。責任転嫁ともとられる発言だと思うが、受け止めをお願いしたい。
【代表代行】
だから皆さんがちゃんと二階先生に、「マスコミはそういうことが仕事なんですよ」って教えてあげないといけないと思いますよ。
だから、その発想のどこかには、「都合のいいところだけ報道させればいいんだ」みたいな意識があるわけでしょう。そこが問題なのではないか、それはおごりではないですか、ということなんですね。我が党は、代表の会見等についてもフリーの方も入っていただいてやるようにしている。だからそういう点では、メディアを萎縮させるようなこととか、さまざまあることを含めて言えば、やっぱりちょっと認識が違うのだなと思います。
ただそれは、投げかけられたのは、私ではなくて皆さん(マスコミ)だから、皆さんがそういう(自民党・二階)幹事長のご発言をどうとるかですよ。
【朝日新聞・斉藤記者】
二階さんは、「1行でも悪いところがあれば」と。(今村前大臣の件は)「1行でも悪いところ」で済むような話か、伺いたい。
【代表代行】
それは1行だって、悪いことは悪いことでしょう。大体我々が皆さん(マスコミ)に叩かれる時というのは、いろいろな話の中の、そこの部分で何か問題を起こした時に必ずやらかすわけですから、政治家は。だから別に今に限った話ではないでしょう。
だけど、今回のことは、皆さん(マスコミ)もそうだし、我々東北の人間だって、「何を言っているんだ」って思うわけでしょう。それをもってマスコミ批判をすること自体が、ちょっとどうかなと私は思いますよ。むしろ皆さんメディアの運動神経のほうが健全だと思います。
【「FACTA」・宮嶋記者】
6年たって、やはり被災地のことに対する風化が進んでいるのだなというのが、実は私が一番悲しいことだ。それで、いわき市の吉野さんが今度(復興大臣に)なるわけだが、同じ被災地ご出身で、与党ではあるが、どういう期待をするか伺いたい。
【代表代行】
閣僚としてどうなのかということと個人の議員としてどうなのかは別なので。個人の議員として、私が閣内にあった時は、被災地の出身で相当熱心に活動していたことを私はよくわかっていますが、やはり復興大臣という全体を統括する立場はまた別ですから、その仕事の中身を見て判断したいと思います。
ただ、やはりこの3代は少なくとも全く被災地に縁もゆかりもない人で、そういう人を充てる理由って一体何だったのかというのを私は総理に聞きたいと思うんです。その3人とも、政治家としてはご優秀で、得意分野もそれぞれあるのでしょうけれども、少なくとも私ども被災地から見たときに、何かその専門分野が復興に役に立つとか、例えば震災の当時からしょっちゅうおいでになられたかというと、全く関係ないですからね。だからそういう意味では、なぜこういう方々だったのかということは、ちゃんと任命者は説明をしないといけないのではないでしょうか。私はそう思いますね。
【テレビ朝日・白川記者】
今言われているのは、閣僚の中でも、例えば財務大臣とか外務大臣とか、中心というのか、重要閣僚とそうでない閣僚があるのではないかと。復興大臣に関しては、安倍さんは「復興第一」とは言っているが、やはりあまり重視せずに、ポストの調整の結果で任命してきたのではないかというようなことも言われている。そのあたりについては率直にどうお感じになるか。
【代表代行】
人選を見ると、そう推測したくなるということは事実。だから安倍総理の復興に対するお話というのは、言葉では「(被災地に)寄り添い」と言っているけれども、寄り添う人事でないということは、被災地の人はみんなそう思っていますよ。いい人だし、立派な方ではあるけれども、被災した当初からの経緯を我々はよく知っているからね、そういう中で関わってきた人でない人達が復興大臣を3代続けてやったということなのですよ。それはなぜなのか、ということですね。
そのことをちゃんと説明できないと、今のご指摘のような話をやはり類推させてしまうということだと思いますから、やはり任命したプロセスを総理はきちっとご説明なさったほうがいいのではないですか。
○東京都議会議員選挙について
【「FACTA」・宮嶋記者】
都議選が迫ってきた。野党共闘の牽引車でもある安住さんとして、民進も共産もかなり際どい、厳しい戦いになると思うが、これでリベラル勢力壊滅みたいな、そうなるかどうかはわからないが、その野党共闘を進めている立場で都議選の取り組みをどんなふうにお考えになっているのか。直に関係はないとお考えなのか、伺いたい。
【代表代行】
大変危機感を持っています。ですから、やはりそういう点では厳しいので、できる限りのことはしたいと思いますね。
ちょっと他党のことまではわかりませんが、やはり中選挙区制で、定数が2とか3とか5とか、小選挙区とは全然次元の違う、仕組みからしてもう土台が違うので。だからそういう点では、やはり複数区の中に滑り込めるようにこれからいろいろなことをやっていかないといけないと思っています。