野田佳彦幹事長は15日午後に定例の記者会見を国会内で開いた。

 この冒頭、北海道で自衛隊機の機影がレーダーから消えたことに言及し、「4人の乗員が搭乗しているとのことだが無事を祈る」と述べた。

 通常国会が残り約1カ月となったことに野田幹事長は、「天下り問題やPKO日報問題、森友学園問題などについて政府側に説明を強く求めてきたが、残念ながら事実解明が進んでいない」と述べた上で、「天下り問題は調査報告書が出ているので、予算委員会での集中審議の開催を強く求める。PKO日報問題では稲田大臣が中間報告を行うとしていたが、まだ行われていないので政府に説明を求める」と話し、それぞれ要求していく考えを示した。

 野田幹事長はまた、「本日は沖縄復帰45年の節目の年だ。政府・与党の強引な普天間基地移設によって、国と沖縄の溝がさらに深くなっていることに憂慮している。政府には沖縄に対する丁寧(ていねい)な説明と対応を求める」と述べた。

 報道各社が憲法改正問題について世論調査した内容の受けとめを聞かれた野田幹事長は、「報道各社の世論調査では、概して質問の仕方や調査方法によって数字の出方がいろいろあり、国民の真意がどこにあるか判断しにくい。われわれの仲間たちの地元での体感も含めて総合的に判断していく」「特定のメディアに安倍総理の改憲のインタビューが載ったからと言って、皆がそれに乗ってしまうことに違和感を感じる。国民の議論の熟成を待ちながらするべき話だ」などと答えた。

 共謀罪法案について、与党には週内に採決と言う話があることについて、「金田法務大臣が答弁出来ないから刑事局長を呼ぶ。だが、刑事局長に聞いても共謀罪についての議論は混迷を深めている。審議時間が経過してきたから(採決)というが、内容的には議論は全然進んでいない。政府・与党が急いで採決しようと言うなら、断固阻止するために戦っていく。強引な採決に向けての動きがあるならば、金田法務大臣への不信任案提出も含めあらゆる選択肢を考えたい」と述べた。

 共謀罪審議の天皇退位の特例法案への影響については、「静謐(せいひつ)な環境の中で議論したい。対決型の法案ではない。きちんと議事録に残す丁寧(ていねい)な議論をすることが望ましいが、静謐(せいひつ)な環境を作るかどうかは与党の心がけによる」と指摘した。