蓮舫代表は28日午後、品川区内での街頭演説後に記者団の取材に応じた。
「共謀罪」法案が29日参院で審議入りすることについて蓮舫代表は、「まず、今の政権が信頼に値するのかどうか、行政を歪めていないかどうかを明らかにしなければ、内心の自由を侵しかねない共謀罪の審議をするのは問題があるのではないか」と指摘。衆院での審議では182の論点が未解明のまま時間がきたという理由で質疑を終局させたとして、「刑法の体系を大きく変えるものであり、慎重で丁寧な審議が必要だ。あわせて、不安定な大臣の答弁が安定するまではきっちり議論しなければならない」と述べた。
民進党など野党4党が求めている(1)前川前文部科学事務次官の証人喚問(2)安倍総理出席の予算委員会集中審議――の2点について与党が慎重な姿勢を示していることに対しては、「あり得ないことだと思う。『メモは本物だ』と言われた前川前文科事務次官本人が『国会からの要請があれば証人喚問に出席する』と明言している。官邸側は『怪文書の類』だと言って意見が真っ向から対立しているのだから、政府として政治を信頼してほしいという立場であれば堂々と国会に前川前事務次官をお呼びいただき、集中審議で自分たちは間違っていないと主張をすればいいだけの話。集中審議と前川前事務次官を拒否するのは自分たちに都合が悪いからだとしか思えない」と述べ、引き続き要求していく考えを示した。
前川前事務次官の証人喚問を拒否する理由について与党が「政治の本質とは関係ない」と発言していることについては、「まさに政治の本質そのものだ」と反論。特区制度のもとでの獣医学部の設置には、今治市とともに京都府も名乗りを上げていたが、ある日突然「1校に限る」「獣医系大学のない地域に限り」といった条件が新たに加わったことに触れ、「加計学園を選ばせるような流れがなかったのか、行政が歪められていないかどうかというのはまさに政治の本質で、国会で問うべきものだ」と力を込めた。
菅官房長官が、前川前事務次官のプライベートな問題までも非難していることには、「官邸だけが知っているはずのプライベートな情報がなぜメディアに漏れたのか。極めて怖いという印象」と述べた上で、「今問われているのはプライベートな問題ではなく公の問題だ。政府が行政を歪めていないか、中立な行政がなされていたかどうかが問われている」と指摘した。
今夏の東京都議選については、「どんなに厳しくても民進党の旗を掲げて戦う仲間がいる。私たちは国政で国民に選ばれる政治を行い、(都議選で)選んでもらえるために衆参国会議員も含め民進党の総力を挙げ、できる限りのことを行っていく」などと決意を語った。