民進党は9日午前、松野文科相が「総理のご意向」などとされる加計学園疑惑に関する一連の文書の再調査を表明したことを受け、「加計学園疑惑調査チーム」の会合を国会内で開いた。第1部で「今治加計獣医学部問題を考える会」共同代表の黒川敦彦、武田宙大の両氏、第2部で文科省、内閣府からヒアリングを行った。

 第1部で黒川、武田両代表は、今治市民への電話調査結果を含め独自に調査した結果を説明した。その中で今治市の対応について(1)8月文科省の認可が得られないリスク(2)32億円が財源未定で契約を締結(3)学部建築費を精査していない(4)事務上の多数の不法行為(5)アジアトップクラスである根拠がない(6)バイオハザードのリスク対策をしていない――等6項目の不当な行為を指摘した。

 第2部では文科相の再調査表明に関して今井雅人共同座長がまず、その決定の経緯、調査のあり方についてただした。文科省側は、「追加調査を求める国民の多くの声などを総合的に勘案し、本日の閣議後に文科相が総理に追加調査の考えを示し了解を得た。追加調査の設計概要を早急に検討し、速やかに調査を行い、結果がまとまりしだい発表する」などと説明した。

 これに対して参加議員からは、「速やかにとはいつ回答するのか」「前回調査では、午前に要求し午後には出てきた。今日中に関連文書の存否を回答すべきだ」などとただした。文科相側は「速やかに調査をどうするか検討し、どういたタイミングで発表するかも含めて持ち帰らせてもらう」などと回答期限の明示を避け続けた。そのため、桜井、今井両共同座長は文科省に対して、本日午後3時までに関連文書の存否について回答するよう要求した。

 午後に再開された会合で文科省は、「対象とする文書がいろいろとあるので、あらためて調査の方針を定めて行く中で検討し、結果がまとまりしだい回答する」と関連文書の存否は答えなかった。再調査と言いながらその結果公表を遅らせようとしている文科省の姿勢に対して、民進党加計学園疑惑調査チームは、再調査に当たっての対象者、対象範囲を明示し、12日正午までに回答するよう政府側に要求した。

PDF「再調査に当たっての要求事項」再調査に当たっての要求事項