民進党「共謀罪」対策本部の事務局長で、衆院法務委員会理事の逢坂誠二議員は14日、民進、共産、自由、社民の野党4党が開いた共謀罪の廃案を求める街頭演説会に参加。「民主主義にもとる行為を許していいのか。『共謀罪法案 NO』という言葉を上げていただきたい」などと訴えた。

 逢坂議員は、共謀罪法案の問題点について、「実際に罪を犯していない、実行行為に至る前の犯罪の計画、準備をしただけで罪になるという、日本の明治以来の刑法の原則の大転換になるもの」「対象犯罪には、殺人やハイジャックといったものではなく著作権法違反や所得税法違反など、なぜ計画をしただけで罪になるのかというものが含まれている。ここに根本的な危うさがある。277もの罪について共謀罪を創設するという無茶なことを、こんな短時間の国会審議で絶対やってはならない」などと指摘。審議の冒頭から、金田法務大臣に答弁をさせないよう、審議を通じて刑事局長を政府参考人として出席させることを数の力で議決したことや、30時間という審議時間をもって強行採決したことなど、与党の横暴な委員会運営をあらためて厳しく批判し、「何時間審議をしたかではなく中身の問題だ。何度聞いても『組織的犯罪集団』が何か、『計画行為』『準備行為』が何かよく分からない。今回の共謀罪法案は、刑法の大原則である罪刑法定主義にも反しているのではないか。こんな法律を制定させてはいけない」と訴えた。

 さらに、国連プライバシー権に関する特別報告者であるジョセフ・ケナタッチ氏から、人権侵害の恐れがあるとして安倍総理に対して書簡が送られたにもかかわらず、書簡にある質問状に日本政府が何ら答えていないことを問題視。「国連の特別報告者の問いかけというよりも、国民の皆さんお一人ひとりの問いかけに思えてならない。それに答えない状況のなかで共謀罪法案を絶対に通すわけにはいけない」と力を込めた。

 与党は同日の参院本会議で、委員会採決を省略できる「中間報告」という形で採決を目論んだことにも触れ、「こんな民主主義にもとる行為を許していいのか。こんな横暴な政権に共謀罪法案を制定させてはならない。今日の参院での採決を阻止するためには国民の皆さんの後押しが必要だ。『共謀罪法案 NO』という言葉を上げていただきたい」と呼びかけた。 

 演説会には、共産党の藤野保史衆院議議員、自由党の幹事長の玉城デニー衆院議員、社民党政策審議会長の吉川元衆院議員が参加した。

街頭演説会

共謀罪廃案を訴える各党の代表者。写真左から、藤野議員、逢坂議員、吉川議員、玉城議員