民進党は15日夕、「ムダ遣い解消プロジェクトチーム――ダレノ(誰の?)ミクスプロジェクト」(江田憲司座長=党代表代行)会議を国会内で開き、内閣人事局より全府省庁対象の天下りについての調査結果についてヒアリングを行った。これは、山本行革担当大臣が同日午後に、全府省庁対象の天下りについての調査結果を公表し、あっせん規制違反や求職規制違反の疑いのあるものが27件あると明らかにしたことを受けて実施したもの。

 江田座長は冒頭のあいさつで、「やっと全府省庁調査の結果が出てきたが、一言で言うと遅すぎる。明日事実上国会は閉幕する。これは国会で審議をさせないという意図と理解せざるを得ない。さらに、加計学園問題の再調査内容の公表日とぶつけてきた。山本大臣は文科省以外は組織的あっせんはなかったと、渦中の文科省が組織的な天下りのあっせんをしていて、それだけ悪質だったと印象操作をしているのではないかと勘繰らざるを得ない」と述べ、徹底的に究明していく考えを表明した。

 内閣府の担当者は、「あっせん規制違反、求職規制違反の疑いがあるものが27件あった」「OBへの調査では、6372人に調査票を郵送し5535人から回答を得た」「現職人事担当者285人にヒアリングした」「27件については再就職等監視委員会に報告し、判断を委ねる」などと報告した。これに対し、参加した議員から「27件の調査結果の府省庁別の公表をしないのはおかしい」「再就職等監視委員会と合同で調査をしなかったことに疑問がある」「メール調査を行った省庁が6省庁しかないというのも少なすぎる」「アンケート調査のような、紙(調査票)を送るだけの調査ではきちんとした調査結果は出てこない」といった問題点が指摘された。

 今回の調査結果にはやる気が見られないとして、同チームは、再就職等監視委員会からも経緯を聞くために来週再度のヒアリングを行うとして閉会した。