24日の衆院予算委員会の閉会中審査で、民進党は3番手として玉木雄一郎議員が質疑に立った。玉木議員は、学校法人「加計学園」が国家戦略特区で獣医学部を新設する問題について、これまで文部科学省が存否を明らかにしてこなかった「加計学園への伝達事項」という文書について、文書は「存在する」という答弁を松野文部科学大臣から引き出した。
玉木議員は国家戦略特区諮問会議の基本方針の運営に関する基本的な事項に「利害関係を有する議員については当該事項の議決に参加させないことができる。そのことによって審議の中立性、公平性を担保していく仕組みになっている」と定められていることを示し、「認める対象が長年のお友達で、そしてそのさまざまな関係がこの間ずっと言われてきていることからすると、総理はより厳しくこの中立性、公平性について配慮すべきだったのではないか」と指摘。さらに、2015年4月2日に今治市の担当者が官邸に来て柳瀬元総理秘書官と何らかの話をしているのではないかという玉木議員の質問に対して、柳瀬元秘書官も安倍総理も、面談記録もなく、入館記録もないと答弁をしたことについて、「特別扱いがあったのか、なかったのか、加計ありきかどうかを判断する重要な要素。その大事なことについて、すぱっと説明すれば全部氷解して国民も納得するのに、記憶も記録もない、こういうことを繰り返すから今のような状況になっている」と疑惑を解消しようとしない政府の姿勢がさらに疑惑を広げていることを批判した。
玉木議員は、安倍政権が閣議決定した獣医学部を新設するための4条件に「既存の大学・学部では対応が困難な場合」と定められていることを示し、既存の獣医学部を設置している16大学に対応が困難か確認したのかを質問した。これに対して山本地方創生担当大臣は、「規制のメリットを受けている当事者を相手方として規制改革の可能性を訪ねても、中立性を欠く恐れがあるので聞いていない」と答弁。これについて玉木議員は、「ちょっとひどくないか。既存の16大学は規制のメリットをぬくぬくと享受している人たちなのか」と抗議。本日の予算委員会に、そのことをはっきりさせるために全国大学獣医学関係代表者協議会会長の稲葉睦北海道大学教授を参考人として招致しようとしたにも関わらず、与党側の理事が参考人招致を拒否したことも合わせて強く抗議した。
国家戦略特区に獣医学部新設が決まった2016年11月9日の前日に文部科学省から加計学園に対して送られたとされている「加計学園への伝達事項」という文書について質疑をしたところ、松野文部科学大臣はこれまでその存否を明らかにしていなかったが、「その文書に関して6月15日の発表の時点においては存否応答を拒否したが、現状においてはその文書は存在する」と初めて文書の存在を明かした。この答弁に玉木議員は、「こんな加計ありきの文書の存在が今日明らかになった。これはもう紛れもない加計ありきの文書だ」と発言。そのうえで、安倍総理に対して、「白紙に戻してもう一度手続きをやり直す。これが信頼を回復する一番の方法だ」と強く主張した。安倍総理は、「白紙にすることは考えていないが、しかし国民の皆さまの疑念を晴らしていくには何ができるかは、真剣に考えていきたい」と苦しい答弁をした。