大串博志政務調査会長は26日午前、国会内で記者会見を行い、(1)国家戦略特区による加計学園の獣医学部新設問題をめぐる衆参予算委員会集中審議で浮き彫りになった焦点(2)南スーダンPKO日報破棄問題――等について見解を語った。
衆参予算委員会集中審議で、加計学園の獣医学部新設計画の申請に関して、国家戦略特区諮問会議で加計学園を事業者とすることを正式決定した「1月20日の段階で初めて知った」旨を安倍総理が答弁したことに大串政調会長は言及。「これまでの答弁を修正するという答弁が昨日あったが、答弁がころころ変わるようでは、国会質疑は一体何なのだいうことになる。明らかに祖語(そご)がある」と問題視した。これまで安倍総理は「加計さんから頼まれたこともないし、私から具体的に指示したこともない」旨を答弁をしてきたことについて、「(1月20日まで)知らなかったのであれば、そもそも知らなかったという答弁が最初から出てきておかしくなかった。それがここまでまったくなくて、昨日に至って1月20日に初めて知ったというのは、これまでの答弁と整合性がないし、さらに疑惑を深める結果になった」との見方を示した。
日本獣医師会との意見交換の場で山本地方創生担当大臣が、国家戦略特区諮問会議で加計学園に獣医学部新設が正式決定される前の段階で加計学園の獣医学部新設に関する情報が伝えられたとの獣医師会側の記録についても取り上げた。獣医師会との意見交換で「加計ありき、今治ありきとは言っていない」「京都もありうると言った」との山本大臣の答弁について「非常に不透明さが残る」との見方を示し、「今治でなく京都もあり得ると言ったかのごとく山本大臣は発言しているが、先週木曜と金曜の記者会見で言っていることで馬脚を現している」と指摘。21日金曜の記者会見で「京都も追加である」と山本大臣が発言していることについて「今治もあるが京都もあるという線で話していたことをうかがわせる」ものだと指摘した。
南スーダンPKO日報破棄の問題に関して、稲田防衛大臣が日報の「非公表」を協議した会議に出席し、隠ぺいに加担したのではないかとされる問題については、「これは稲田大臣の問題のみならず、防衛省の防衛監察本部及び特別防衛監察の在り方自体を揺るがすところまできている」と述べた。「何とか言い繕おうとするから、特別防衛監察に大臣がヒアリング受けることになっている。これは制度上はできないものを大臣に無理に受けさせるもので仕組み自体に疑問を抱かせる」と問題視するとともに、仮に稲田大臣の関与がなかったという特別防衛監察の結果が出た場合、報道の流れから見て特別防衛監察あるいは防衛監察本部の信頼を揺るかしかねないとの見方を示した。「特別防衛監察は防衛省の公平性の根幹であり、これを一政権の失態で制度そのものの信頼を揺るがすようなことはあってはならない」と述べ、本来、安倍総理自身が稲田大臣に聴取し隠ぺいが明らかになった際は罷免したうえで特別防衛監察については第三者性の高い報告を出すものにしなければならないと指摘した。