前原誠司代表は16日、徳島市内のJR徳島駅前で、希望の党公認で元衆院議員の仁木博文(にき・ひろぶみ)候補の応援演説を行った(写真上は、「徳島を元気にしたい」と熱弁をふるう仁木候補と前原代表)。
前原代表は、森友・加計学園問題を一例に挙げ、「国会をないがしろにしているのが今の政治だ。本来国民に示すべき情報を隠蔽し、国民の知る権利、情報に基づきまっとうな政治をすることをゆがめている」と安倍政権を非難。政権の足から5年が経つなかで政治を私物化し、おごりが極まっているとして、「安倍政権をこの選挙でまず止めよう」と訴えた。
権力の私物化のみならず、安倍政権では東京電力福島第1原発の教訓や被災者の気持ちを無視した原発政策を推進、日本の戦後復興、繁栄に貢献してきた高齢者に対し年金給付額の引き下げなど老後の安心を奪っているなどと批判。医師でもある仁木候補がこの5年間、地域の声に耳を傾け少子化対策や地域活性化に取り組んできたと紹介し、「1強多弱と言われるこの状況を打破する、最後に政治を変えるのは皆さんが等しく持っている1票だ。この怒りを変える力を1票に込めて仁木博文と書いてほしい」と呼びかけた。
「仙谷(由人)先生(元衆院議員)に育てていただいた」と話す前原代表は最後に、「徳島は仙谷先生、高井(美穂)さん、中谷(智司)さん、仁木さんがつないできたリベラルの大きな地盤だ。この徳島で仁木さんが国会議員として議席を得ることが新たな徳島の明日につながる。仁木さんを勝たせてほしい」と締めくくった。
仁木候補は「私がなぜ政治を志しているのか。政治のあるべき本来の姿は、本当に困っている方々のため、もう少し公的なサポートがあればうまくいく方々のため、事業が失敗したり離婚をしたりとさまざまな困難な状況にあっても、また頑張っていこうと努力されている方々のためにあると信じているからだ」と力説。「しかし今の政治はあまりにも出来上がった方ばかりを応援し、地方でもがいても、もがいてもうまくいかない方々が置いてけぼりにされている。その結果格差は広がり、総理という国家の最高権力者につながった方だけが得をする政治に成り下がっている」と断じ、5回の国政選挙で同じ候補に敗れてもなお立候補し続けるのは、地域を回り見聞きしてきた人々の暮らしの実態に寄り添った政治を実現したいからだと決意を述べた。
「徳島をよくしたい、日本をよくしたい」と仁木候補は続け、そのためには地元での雇用創出が必要だと指摘。その一案として健康特区や、エネルギーの地産地消のモデルケースにしたいとの考えを示した。10%への消費税増については「今の徳島はそういう状況はない」と反対の立場を強調し、医療・介護従事者の待遇改善や、「社会全体で子育てを」との理念のもと給食費の無償化、高校生までの医療費の無償化、給付型奨学金制度の拡充といった社会保障制度の充実を図ることで景気対策につなげていきたいと表明。「今の政治を皆さんと一緒に変えたい。日々の安定した生活から希望の持てる日本にしたい。徳島の代弁者として皆さんと一緒に徳島を元気にする、そのために国会議員として仕事をさせてほしい」と訴えた。