蓮舫元代表は19日、福島1区に無所属で立候補している前職の金子恵美(かねこ・えみ)候補とともに南相馬市内の原ノ町駅近くで街頭演説を行い、東日本大震災後の大きな課題を抱える福島県民に今後も寄り添い続ける金子候補を国会に戻してほしいと訴えた。
蓮舫元代表は、東日本大震災時の福島第1原発事故後、十分な避難計画も整わないまま原発再稼働にかじを切った安倍政権の姿勢を批判。「こうした状態での原発再稼働を許してはいけない」と訴えると、聴衆の間からは「そうだ」という声が沸き起こった。
「再生エネルギー、自然エネルギーなど新分野のエネルギー技術をこの福島発で発展させ、世界に冠たるエネルギー産業を作ろう。雇用を生み、この福島で未来をつくり、この福島から立ち上がる希望の礎を作ろう」「金子恵美を当選させることによって、南相馬の皆さんの思いが政治に届くことになる」と蓮舫元代表は語り、無所属の金子候補への投票を呼びかけた。
金子候補は「こんな時期の大義なき解散・総選挙、いったい何なのだ。選挙に費やすこれだけの予算があるのであれば被災者の人たちに使ってほしい。弱い立場の人たちのために使ってほしい」と強調。「しかしこの解散をチャンスに変えなければいけないとも思っている。一部の人たちのためにだけ行われていた今までの政治を、国民の皆さんから遠いところにあった政治を取り戻す選挙戦にしたい。そのためにも皆さん力を貸していただきたい」と訴えた。
安倍政権のもとでは被災地の皆さんや障害のある皆さんに光が当たらないままとなってしまう懸念があると金子議員は指摘。2016年7月に一部を除いて避難指示が解除された南相馬市小高区を訪れた際、「地域に戻ったが、おばあちゃんがデイサービスを受けられない」と悲痛な声が寄せられたことにふれ、「戻ってきてもこれまで受けてきた十分なサービスが受けられなかったら、結局は安心・安全ではないということになる。私はふるさと福島の真の再生のために医療・介護・福祉サービスを拡充していくことを約束する。仮設住宅でまだ暮らしている皆さんをはじめ、1人も取り残すことなく、すべての人の生活再建を目指していく」と力を込めた。