民進党は4日午前、2018年度定期大会の議案に関する実質的な議論の場となる全代議員会議を東京都内の会場で開いた。

 大塚耕平代表は、衆参両院の党所属国会議員、地方代議員ら約160人の出席者を前にあいさつし、「昨年10月31日、総選挙の結果を受けて代表に就任して約3カ月が経った。その間、皆さま方からさまざまな意見やご指導をいただき、とりあえず今日の党大会をこうして粛々と開けるようになったことを心から御礼を申し上げたい。まだまだ課題は山積しているが、政党や議員はそれ自身のために存在しているわけではなく、国民の皆さんに健全な政治構造を届けるのがわれわれの責務なので、そのことに向けて建設的な党大会となるようお願いする。期せずして今日は立春。旧暦では立春から新しい年が始まるので、今日の党大会を契機に、来年の統一地方自治体選挙、参院選挙に向けて新しいスタートが切れるようにしたい」などと述べた。

 増子輝彦幹事長が大会議案の概要を報告したのち、代議員との質疑応答に移った。「活動方針案で『改革し、新しい党へ』とうたっているが、今後の1年間でどのようなスケジュールを考えているのか」という質問に大塚代表や増子幹事長は「来年の統一地方自治体選、参院選に向けた早い時期に党所属国会議員や地方組織の意見も踏まえながら党が生まれ変われるよう、大会後進めていきたい」などと答えた。

 立憲民主党、希望の党との3党連携を今後どのように進めるかとの質問には、増子幹事長が「希望との統一会派は1回は頓挫したが、今後も具体的な政策や事案などをめぐって3党連携を追求していくと説明した。「今後、民進党の組織強化と新党とどちらを重視するのか」との質問には、執行部としては両者を並行して組織固めをしながら新しい党に生まれ変わっていく方針だと説明した。

 「今国会で焦点になる可能性のある憲法9条改正問題に対する党の見解を明確にし、国民運動として取り組むべき」との意見には、大塚代表が昨年11月の自身の代表質問の中で安倍総理に「民進党は、自衛隊は憲法に書いてあろうとなかろうと合憲の立場だが、総理は自衛隊は違憲と考えているのか」「自衛隊を書き加えることで何が変わるのか」と質問したことに対して、安倍総理が「何も変わらない」旨を答弁したことをあらためて紹介し、憲法9条を変える合理的理由がなければ改正には反対だとする見解を明示した。増子幹事長は、未設置となっている党の憲法調査会の設置を急ぐ考えを表明した。エネルギー政策や地方の衰退、竹島問題などについても党の政策的方向をしっかり打ち出してほしいとの要望も出され、増子幹事長は原発立地県や関係県をはじめとする関連地方組織の意見もしっかり踏まえて今後党の方向を明確にしていくと答えた。

 このほか、「候補者発掘を自治体議員フォーラム、全国青年委員会、女性議員ネットワーク会議などの地方自治体議員団にある程度任せてほしい」「綱領を見直すにあたっては、地方重視、地域主義の考え方をしっかり書き込んでほしい」「昨年総選挙前にまとめていた『幻のマニフェスト』原案は党のホームページに載せるだけではなく、冊子なども作ってもっと訴えていってはどうか」などの要望や提案も出され、いずれも執行部として前向きに検討していくと回答した。