民進党をはじめ野党6党は16日午前、第3回目となる「働き方改革虚偽データ疑惑」合同ヒアリングを国会内で開き、厚生労働省が2013年に行った「労働時間等総合実態調査」について同省担当者から説明を受けるとともに、全国過労死を考える家族の会から話を聞いた。
安倍総理が「裁量労働制で働く方の労働時間の長さは、平均的な方で比べれば一般労働者よりも短いというデータもある」としていた自身の答弁を、「精査が必要なデータをもとに行った」と14日に撤回・謝罪するに至った問題で、データ元である厚生労働省の「労働時間等総合実態調査」について厚労省が当時の調査手順や調査委託先等を開示し、これをもとに意見を交わした。
全国過労死を考える家族の会からは、家族を失ったり健康を害したりした経験から、労働時間把握がなされていない裁量労働制による過酷な労働で過労死や過労自殺、健康被害に至った深刻な実態が語られた。同会代表の寺西笑子さんは、「過労死・過労自殺を増やす『企画業務型裁量労働制の拡大』に反対します」と題する声明を過労死等防止対策推進全国センター代表幹事として2015年3月26日に発信していることを冒頭で紹介し、「過労死防止法制定運動のなかで1週間60時間未満にという唯一の数値目標を掲げているが、なかなか数値(目標実現)は厳しい。労働時間を短くするという法律であるのに、国が出してきた働き方改革は長時間労働を助長する内容ばかり。私たちが進めようとしている過労死防止に逆行する過労死防止法違反と言わざるを得ない状況が国会で論議されている」「(国会審議の)根拠となる数字があきれたことに事実でないという。命につながる問題なのに、間違った数値を根拠にして国が推し進めようとしていることに怒り心頭だ。ぜひ阻止して、安全を確認したうえで一から働き方を議論するという順番が必要で、安全を無視した働き方改革は本末転倒だ」などと述べた。