参院予算委員会で2日、小川敏夫議員が基本的質疑に立った。
小川議員はTPP交渉について、「日本の農業がTPPで滅びるという声が出るほど、譲りすぎているのではないか。守るべきものを守っていないという声が強い。一方で、攻めるべきである輸出品目に関して攻めていない。非常に不十分、あるいは日本の不利益を招くような交渉結果ではないか」と批判し、「日米貿易で、自動車は主要品目だ。現地生産では日本で雇用を生まないし、主要部品も日本のものを使っていない」と指摘した。
そして「自動車部品の関税を即時撤廃することになったからと言って、完成車の輸出については何の恩恵も受けない。はるか25年先で関税ゼロになる。小型貨物自動車は30年目だ。こんなことで交渉を勝ち得た、満足できる交渉だと言えるのか」と政府を追及した。
また小川議員は、米韓FTAの内容と比較して、「韓国の乗用車は、この3月から関税がゼロになるのに、なぜ日本は25年目なのか。競争に負けてしまう不利益な交渉をまとめてきたのか。また、ECU(エンジン・コントロールユニット)・センサー類、リチウムイオン電池など、日本が最も進んでいる重要な戦略部品についても、韓国メーカーには即時関税撤廃、日本に対しては10年後、15年後撤廃だ。交渉結果はあまりに不十分」と米国市場で競合する韓国車に対し、日本車が不利益になる実態を指摘した。
日銀に対しては、日銀の国債買い入れによって資金が日銀の当座預金に積み上るだけで、「市中に出て行かない。経済浮揚の効果はない。いつまで日銀は国債を買い入れるのか。このような状況が続くのは異常だ」と黒田総裁に指摘した。
また、「勤労者の収入が減っている。アベノミクスは成功ではない。総務省の家計調査によると世帯主の賃金が減っている。豊かになったから妻がパートで働くのではなく、世帯主の収入が減ってしまうから、それを補うためにパートに働きに出るというのが実態だ」と指摘した。安倍総理は、「世帯の所得としては増えているが、指摘のような傾向になっているので注視したい」と答えた。