衆院で7日に開かれたTPP特別委員会の総括質疑で、福島伸享議員が民進党の2番手として質問し、安倍総理をはじめ関係閣僚の見解をただした。
TPP交渉参加国間での保秘義務契約について福島議員は(1)交渉テキスト(2)各国からの提案、それに付属する資料(3)交渉内容に関連する電子メール(4)その他の情報(交渉の場で交換された情報など)――の4つがあると指摘し、外務省から出された黒塗りの資料を示して、「これはこの4つの要件のうちのどれに当たるのか」と質問した。石原経済連携担当大臣は、「ニュージーランドが秘密保護に関する書簡のひな型をウェブサイトで公開していることは承知しているが、各国との具体的名やりとりは公表しないとしている。この黒塗りの資料についてのコメントは差し控える」と答弁。福島議員は、「国民に情報を知らせないまま、他国が結んでいる秘密保持よりもさらに深い保秘契約を結んでいるとしたら、わが国政府は誰のために仕事をしているのかということになる」と述べ、国益、国民の利益に反する恐れがある政府の秘密主義を厳しく批判した。
コメについて福島議員は、「あなたたちは、WTO枠の外にSBS方式で米国産7万トン、豪州産0.84万トン入れることを決めた。一般輸入枠の中に中粒種・加工用に限定したSBS方式で6万トン。さらに米国との間で、米国と相談なしに米価を決めることが出来ないサイドレターという書簡を結んでいる。この中では輸入量が基準に達しない場合は、マークアップという上乗せ価格を15%減らすことも決められている。これは国家主権の侵害、放棄に当たるものだ。なんでこのような交渉をしたのか」と、政府の認識をただした。高鳥内閣府副大臣は「交渉の経緯を述べることは差し控える。国家主権の放棄とは言えない」などと強弁。福島議員は、「自分の国の国民が食べるコメの値段を決めることが出来ない、米国と結んだサイドレターは屈辱的内容だ」と切り捨てた。