山尾志桜里政務調査会長は20日午後、記者会見を国会内で開き、(1)熊本地震災害(2)子どもの貧困問題(3)報道自由度ランキング――などについて発言した。
 熊本地震災害について48人が死亡し、1100人以上が負傷、9万5千人以上が避難しているとの最新の報道を受け、犠牲になった人々に哀悼の意を表した。同日午後に岡田克也代表らとともに安倍総理に面会し「災害対応に与党も野党もない」との立場から熊本地震災害に関する緊急申し入れを行ったことも報告した。

 熊本地震災害に関連して被災住民から川内原発の稼動に不安の声が上がっていることについて記者団から問われ、「国民の声とともに進む民進党は、そのような懸念や不安の声をしっかりと受け止められる政党でありたいと思う。震源地の移動によって今後そういった声がさらに強まってくることもあるだろう。そういう声にしっかりと寄り添いながら、一方、政府にしか把握できない情報の提供も含めて合わせ考えて党として責任ある判断をしていくべきだ」と述べた。

 山尾政調会長は、ユニセフが4月14日に発表した「子どもの貧困に関する指標」で日本が先進国41カ国中の34位だったと報告。「私たちが指摘してきた、日本では格差拡大が進んでいるということが外部の報告でも裏付けられた。(安倍政権が)国としての希望出生率を1.8とすることも良いが、今、貧困に苦しんでいる子どもたち、保育所に入れなくて大変な思いをしている家庭をどのように救うのかに政権与党は注力すべきだ」と力を込めた。

 「国境なき記者団」が20日に発表した「2016年の報道自由度ランキング」も取り上げ、日本が前年の61位から72位になり、「多くの(日本)メディアが自主規制をし、独立性を欠いていると指摘された」と述べた。「国家から国民の自由を守るという自由に対する(安倍政権の)根本的な姿勢に対して、私も質疑を通じて危機感を伝えてきたが、その危惧(きぐ)が国際的な外部の目からも裏付けられた」と安倍政権の報道に対する姿勢を厳しく批判した。