岡田克也代表は、16日の衆院予算委員会で(1)補正予算(2)経済・生活――などについて安倍政権の考えをただした。

 まず、熊本地震の発生直後、支援物資が県や市町村で滞留してしまった問題について、「反省し、今後より良い制度を組み立ててほしい」と求めた。安倍総理は「課題があったことを精査したい」と答えた。また、震災対応の補正予算について、「7000億円の予備費計上は異例のこと。(民進党も)やむを得ないと判断したが、こういう手法を一般化してはいけない」と釘を刺した。

 岡田代表は安倍総理の先の訪欧について、「ドイツや英国と安倍総理の間に、世界経済に対する認識の食い違いがあるのではないか」とただした。安倍総理は、「現状認識については、だいたい一致している。取るべき手段として金融政策、財政政策、構造改革をバランスよく実施していく必要性があると認識できたが、財政政策については特にドイツ、英国に考え方の違いがあったのは事実」と答えた。これに対して岡田代表は、「金融政策、財政政策、構造改革を各国の事情に応じてバランスよく実施するというのは、何も言っていないに等しい。それでは一定の方向を出したということにはならない。やはり前提となる考え方が違うのではないか」とさらに疑問を呈し、IMFの世界経済見通しが2015年に比べて、2017年、18年の経済成長率を上向きと判断している中で、日本だけが成長できずに財政出動と言っているとして、「他の国、特に英国やドイツはただちに財政出動することに首を傾げているのが現状ではないのか」と指摘した。

岡田代表が質問

 アベノミクスについては、「国民の大半が、景気回復を実感していないというのが現実だ。アベノミクスは金利を下げ、為替が円安に振れ、株高になった。それが事実上の牽引車だった。しかしその動きが変わって来た。円高になり、株も乱高下している。つまり牽引車が失われつつある。安倍総理は『アベノミクス、この道しかない』と言って衆院解散・総選挙をした。だから国民は経済政策をやってくれると期待したが、安倍総理は安全保障法制にエネルギーを注ぎ込んで、経済がなおざりになった。それが今の姿だ」と批判した。

 さらに岡田代表は、「大事なのは3本目の矢の構造改革だと総理は言っている。私も同じ認識だ。基本的に民間投資を喚起するための成長戦略という考え方は一致している。成長戦略を国家として策定したのは民主党政権だ。大事なことは、それだけではだめで、1人ひとりの普通の人たちが安心して生活できる、そして豊かになるという見通しを持つことができる政策が重要だ。安倍総理も『1億総活躍』と言っているが、問題はそれが実行されるかどうかだ。良い言葉を並べるだけでなく、具体的にこうするということを明確に述べていただきたい」と求めた。

 国民への説明責任については、(1)UR問題(2)集団的自衛権行使容認に至る議論の記録(3)報道の自由、国民の知る権利(4)GPIF運用実績(5)TPP交渉(6)パナマ文書(7)東京五輪疑惑――について説明や開示を求めた。