衆院予算委員会で16日に行われた2016年度補正予算の審議で、大西健介議員が(1)都市再生機構(UR)との補償交渉をめぐる甘利前大臣の金銭疑惑(2)年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の年金積立金の運用にかかわる情報公開――についてただした。
大西議員は、「睡眠障害は、たった数時間も国会に出て来られないような病気なのか。このまま1度も出てこないまま国会が終わってしまうことになれば、国会議員としての職責を果たすことが難しいということなのではないか。そうであればいったんお辞めになって病気療養に専念すべきでは」と指摘。甘利前大臣の手紙についても「国会をさぼって選挙活動をしている。解散をした瞬間に元気な甘利さんが出てきて選挙運動をするなどということがあるのか」と述べ、安倍総理に自身の任命責任をどう考えているのかとただした。民進党としては引き続き甘利前大臣の証人喚問や関係者の参考人招致を要求していく。
年金積立金の運用をめぐっては、一昨年秋に基本ポートフォリオ(資産構成割合)を変更し、株式の運用割合を全体の50%に引き上げたが、それを踏まえて専門家が昨年の運用実績を試算した結果、5兆円の損失となる見通しであると報じられている。これについて、仮に株式の運用比率を変更しなかった場合にはプラスマイナスゼロになるとの民進党議員の試算もある。実際の運用状況については、GFIFが通例では7月上旬に「業務概況書」として公表してきたが、今年は参院選挙後の7月29日に公表するとされている。大西議員は「年金の持ち主である国民に、年金の運用割合を変えたことによって5兆円損したということを参院選の前に報告すべきだ」と主張した。