岡田克也代表は27日、定例記者会見を開き、伊勢志摩サミットでの安倍総理の発言などについて見解を述べた。

 岡田代表は、自身の地元である三重県でのサミット開催だったことから「サミットが無事に終わったことは良かった」と、県民や関係者の皆さんに感謝の言葉を述べた一方で、「リーマンショック前に似た状況」などとした安倍総理の発言を念頭に「中身は残念な結果」と述べた。

 その上で、国際通貨基金(IMF)による世界経済見通し(4月時点)を根拠に、世界経済は今年から来年に向けて成長が見込まれている中で、唯一下がっているのが日本だとして(資料1)、「この数字から『リーマンショック直前』などとは読み取れない」と反論するとともに、従来の日本国政府の説明とかけ離れたものであることを指摘し、「1番目の大きなウソ」と述べた(資料2)。 

岡田代表記者会見 資料1

岡田代表記者会見 資料1

岡田代表会見 資料2

岡田代表記者会見 資料2

 さらに「2番目のウソ」として、「大きなリスクに直面をしているという認識と強い危機感を共有した」などとする総理発言に対し、「認識は共有されていない」と述べ、こうした「共有されていない認識」を基にして、あたかも世界経済の要請の中で日本経済には問題ないが、消費増税は先送りせざるを得ないかのような総理のロジックを「3番目のウソ」と批判した。

 その上で「G7という非常に大事な場を、こういった自らの政策の失敗を糊塗するために使われているとすると極めて残念なことだ」と述べ、「難民問題やテロの問題など、本来議論しなければならないことが手薄になったとすれば、その罪は重い」と厳しい見方を示した。

 記者団から、内閣不信任決議案の提出について問われ、週明けにも野党党首会談を開いて相談する考えを示した。その上で「現時点では何も決まっていないが、出さない理由を見つけることは難しいのでは」と述べた。

PDF「IMFによる世界経済見通し」IMFによる世界経済見通し

PDF「世界経済の現状認識と総理発言」世界経済の現状認識と総理発言