民進党は15日午後、東京・世田谷区内の三軒茶屋駅前で街頭演説会を開催。長妻昭代表代行、山尾志桜里政務調査会長、参院選で東京選挙区から立候補予定の小川敏夫参院議員が代わる代わるマイクを握った。

長妻代表代行

 長妻昭代表代行は、参院選で自民、公明両党とその補完勢力で3分の2を獲得すると、今年中にも憲法改正になってしまうのではないかと強い懸念を表明。自民党の憲法草案では、憲法97条の基本的人権について定めた条文が全文削除されていることや、「公共の福祉」という文言が「公益」「公の秩序」に代わっていること、憲法9条2項の戦力不保持の規定が削除された代わりに「国防軍の設置」が明記されていることを一例に挙げ、「相当危うい。ここで歯止めをかけなければいけない」と訴えた。

 経済政策をめぐっては、民進党は「人からはじまる経済再生」を掲げているとして、「人を大切にする政策こそが中長期に日本の経済や社会を持続可能にする」と強調。「格差を拡大させ、子どもや若者をつぶして、どうして日本が持続可能な成長ができるのか。長時間労働、ブラック企業を野放しにしてどんどん人が疲弊し、非正規雇用で働く人が4割というのは異常だ。人をこれ以上使い捨てにするな」と一部の大企業や富裕層のみに恩恵を与え、格差を拡大させたアベノミクスをあらためて批判した。

山尾政務調査会長

 山尾志桜里政務調査会長は、同日発表した、参院選挙の選挙公約「国民との約束」について、「民進党の対案の姿をお伝えしたい」との思いを込めたものだと紹介。民進党が今国会で民進党が提出した議員立法は64本と政府提出の法案56本を上回り、こうしたことは通常国会では初めてであることにも触れ、「保育園の問題や介護の問題、働き方の問題などその多くを残念ながら審議拒否、対案から逃げて逃げて逃げまくって国会を閉じたのが安倍政権だ。国会が閉じてから『野党は批判ばかりだ』と言うが、『批判ばかりだ』と批判ばかりしている安倍総理に対し、私たち民進党は小川敏夫さんを先頭にしっかりと対案を示し皆さんにご理解をいただく、そういう選挙を戦っていきたい」と訴えた。

 今回の参院選の大きな争点として「経済と暮らし」「憲法と平和」の2つを挙げ、安倍総理の経済政策の失敗は(1)目先の利益だけを追いかけて本当にこの国に必要なことをやらなかったこと(2)働き方を根本から変えてしまったこと(3)社会保障政策を怠ったこと――の3点だと指摘。「消費税の増税を先送りし、人への投資、子どもに投資をしなかった。子どもに投資しない国に未来はない。私たちはチルドレンファーストという旗をもう一度高く掲げ、保育園、幼稚園から大学まで、子育てと教育には家計のお金のかからない、社会みんなで子どもたちを育て支え、この国の未来をつくっていく」と力を込めた。

小川参院議員

 小川敏夫参院議員は、(1)政治の不正・腐敗は許さない(2)違憲暴走は許さない(3)安定した雇用環境を整備し働く人から景気の好循環をつくる――と表明。憲法問題をめぐっては、安倍総理が目指すのは限定なく集団的自衛権を行使できるよう憲法改正することであり、これまでそう明言してきたにもかかわらず、選挙戦を前に発言を封印していると指摘し、「安倍総理の論点隠しに惑わされてはいけない。暴走する安倍政治に対し国民の良識でノーをつきつけよう。ここで暴走を止めなければ日本は普通に戦争をする国になってしまう。国民一人ひとりを大切にするのが政治であるはずなのに、安倍総理は、国民は自分が決めた道にどんどん進めばいいと、国民は管理するものだと思っている。将来を決める大事な選挙だ」と訴えた。

 街頭演説会は、地元選出の落合貴之衆院議員(東京6区総支部長)が司会進行を務めた。

 長妻代表代行、山尾政調会長、小川参院議員は三軒茶屋駅前での街頭演説会の後、品川区に移動。戸越銀座商店街で街頭演説や歩行遊説を行った。

街頭演説会