山尾志桜里政務調査会長は17日午後、青森県を訪れ、今夏の参院選挙に党公認で青森選挙区から立候補を予定しているたなぶまさよ(田名部匡代)元衆院議員とともに、五所川原市、青森市内で街頭演説を行うとともに、連合青森主催の決起集会であいさつした(写真上は、青森市内の街頭演説会でのたなぶまさよ候補予定者)。
街頭演説で「選挙区は愛知ですが東北の宮城県出身なので皆さんと話しているとだんだん東北弁に戻ってくる」「本当に青森はあったかい」と切り出した山尾政調会長は、国会審議で初めて「保育園落ちたの私だ」のブログを取り上げた際の自民党議員からのやじや、「誰だか分からない」と聞く耳を持たなかった安倍総理の態度をあらためて振り返り、「待機児童の問題以上に、政治が国民に向き合う姿勢が民進党と自民党ではっきりと分かれたと思う」と指摘。「私たち民進党は国民とともに進む政党だ。政治は政治家や総理大臣がやりたいことをやるためにあるのではない。国民の皆さんが一番困っている声の中に私たちがやらなければいけない課題がある。国民の声の中に政治の課題はいつもある、という思いで国民とともに進んでいく政党だ」と力を込めた。
そのうえで、アベノミクスに対する民進党の経済の対案として(1)子ども・若者、人への投資(2)働き方革命(3)社会保障の充実――の3つの柱を示し、その具体策として返済の必要のない給付型奨学金制度の創設や同一価値労働同一賃金や最低賃金1000円の実現、長時間労働の是正、消費税増税延期によって見送られた低年金者に対しての最大年間6万円の年金のかさ上げなどを列挙。「株高、為替と目に見えないところで目に見えないお金が回っても青森の経済、地域の経済は良くならない。子育て支援や雇用の安定、年金の安心をしっかり伝えてお財布のひもを少し緩めてもらって、皆さんのお財布の中から目に見えるお金が青森のお店に落ちていく。実体の経済を回さなければ経済成長なんて意味がない」と訴えた。
安倍総理が参院選挙で争点隠しを狙う憲法と平和の問題については、「安倍総理は憲法を知らない。だから憲法違反の安保法制を通すことも、自衛隊を国防軍に変えて集団的自衛権の制約をなくすという自民党の憲法改正草案を出すことも恥ずかしげもなくできるのだ」と批判。最近の中国軍艦等の尖閣接続水域の航行にも言及し、「皆さんが心配なのはそういうことではないか。民進党は(尖閣諸島などの防衛を目的とした)領域警備法案を提出したが与党は審議拒否した。自衛隊の皆さんには近所の国から日本の国、領域を守ってもらいたいのであって、地球の裏側にまでいって外国の戦争に参加してほしいなんて誰も思っていない」と断じた。
山尾議員は最後に、「皆さんの安倍政権に対する不安、子どもさんやお孫さんをみるときに感じるこの国の未来への不安、これを安心に変えるための第一歩を踏み出そう」と民進党への支援を呼びかけた。
たなぶ候補予定者は、安倍政権が推し進める経済政策により格差は拡大し、子どもの貧困や高齢者の貧困が増加しているとして、「偏った政治が行われ、一部の利益だけが守られ私たちの生活が壊されている」と指摘。それにもかかわらず安倍総理は「アベノミクスは成功している。青森県にも成果は出てきている。実感できないだけだ」と発言していることに対し、「私は地方の苦しみや生活の実態が伝わっていないと感じた。そうであるならば、何が何でも私がその苦しみを、その不安を、地域の現実を国会に届けたい」と訴えた。
「生まれ育った国や土地、家庭に関係なく、誰もが同じように夢をつかむチャンスが与えられている社会こそが真の豊かさではないか」と述べ、未来への先行投資、人への投資の大切さを強調。民主党政権時代に実現した高校の授業料無償化や子ども手当を一例に挙げ、「なぜ私たちが子どもたちの未来、人への投資だと訴えているかというと、それが社会を支える大きな力になっているから。貧困の連鎖を断ち切る力にも、人口減少に歯止めをかけることにもなっているからだ」と説いた。
「一人ひとりの暮らしのなかに安心とゆとりと豊かさをつくりだすための政策を実現させることこそが、これからの日本を支える大きな力になる真の経済成長を成し遂げる。足元からの経済成長につながっていくことを伝えながら、地方の暮らしが豊かになることを、子どもたちの未来に安心が訪れることを心から願って全力で取り組んでいく」「これからを生きる子どもたちの命と平和のために、この国を守り抜いてくださった皆さんの心の込められた平和のために全身全霊で頑張り抜く」と決意を表明した。
街頭演説会には升田世喜男衆院議員若者も参加。「われわれは、もっと地方に、もっと子どもに、もっと若者に寄り添った政策をと訴えている。地域に安心をもたらし、適正な分配政策でお金が地域で回るようにしていく」などと訴え、民進党への理解を求めた。