選挙担当の特命副幹事長を務める馬淵澄夫衆院議員は18日午後、「一人ひとりの声を政策に 民進党あなたと進むワークショップ」と題して党本部で行われた懇談会に参加。「介護」をテーマに両親など家族の介護を経験したり、今後介護する可能性がある40、50代約20人の参加者と意見を交わした。馬淵議員も自分自身と妻と双方の両親と同居し、介護した経験を持つ。

 会の冒頭では(1)平均寿命が延びるなか老人ホームに入れない高齢者が増えていること(2)親の介護のために会社を辞める介護離職者が年間10万人を超え、安倍政権が掲げる「介護離職ゼロ」という目標は絵に描いた餅となっていること(3)介護士不足は介護従事者の給与が一般労働者よりも月額で約10万円も低いことが主な原因であること――など、日本の介護の実態を数値で示した動画を見て「待ったなしの状況」を確認した。

 馬淵議員は自身の介護の経験を語るとともに、介護制度のしくみが分からないという参加者の声を受けて説明し、特別老人ホームの待機人数が多くて入所できないといった切実な声に耳を傾けた。

参加者それぞれが介護の課題について考えを語った

参加者それぞれが介護の課題について考えを語った

 また、自身の経験に基づき、親の身に認知症を疑わせる症状が出始めたにもかかわらず、その現実を家族が受け入れるまでに時間がかかったことが適切な対応への着手を遅らせたこと、またどういう介護サービスを受けられるかを把握するまでに相当な時間を要したことなどを語り、参加者からも同様の声があった。馬淵議員は「東日本大震災などを経験したこともあって防災リテラシーはだいぶ高まったが、介護に関してはまだまだ。介護リテラシーを高めていくことが必要」と問題提起した。介護の実態、それへの自治体などの支援の在り方等を教育現場で学ぶ機会をつくるなど、国民全体の介護リテラシーを高めていくことが必要だと指摘、「これは政治の役割」だとして仕組みづくりに取り組む考えを語った。

 同じく政治の役割として「介護士の待遇改善は当然のことだ」とも言及し、民進党は専門性のある介護士の価値を高めていくことが重要だとして待遇改善法案を国会に提出したことを報告した。

「民進党は何点?」との問いの答えを手に記念撮影。

民進党の評価点を手に記念撮影。将来不安をなくすため愚直に取り組むと宣言する馬淵議員