民進党の長妻昭代表代行は6日、参院選佐賀県選挙区の党公認の中村てつじ候補とともに県内各所を回った。中村候補について「国会で10年一緒に仕事をしてきた。多くの国会議員から愛され、当選すれば即戦力で3人分の仕事ができる人材だ」と太鼓判を押し、猛暑の中足を止めてくれた聴衆に支援を呼びかけた。
長妻昭代表代行
最近の日本社会の風潮をめぐって「きな臭い動きが始まっているという危機感を共有したい」と訴えた。戦前の例を引き合いに出し、危機は突然ではなくて徐々にやって来ると指摘し、「安倍政権は衆参で3分の2の議席を取って、数年後には海外で無制限の武力行使をすることを認めようとしている」との懸念を示した。
こうした方向性を安倍総理が「この道しかない」と国民に強調していることについて「それが失敗したらどうするのか。もう一つの考え方、憲法の平和主義をしっかり守って日本国を守る。こういう考え方を国会に届けなければならない」「そのためにも中村候補をはじめ、民進党を大きく育ていただきたい」と力を込めた。
また、経済政策については、税制のあり方を見直すことを訴えた。「日本は年収1億円を超えると、所得税負担率が下がってくる。これは金融所得が分離課税(20%)という優遇があるからだ。私たちは、お金に余裕がある方からもう少し税金をいただきたい。それを若者とか、高齢の1人暮らしの女性とかに回し、アベノミクスで拡大した格差を是正し経済成長を図りたい」と訴えた。
中村てつじ候補
中村候補も社会保障の充実が参院選の大きな争点の1つだと力説した。安倍政権が年金積立金を株価の吊り上げに使ったが、実体経済が悪いためにつり上げた株価がどんどん下がり、5兆円もの損失を出したと指摘し、「これでは年金が不安になる。将来に不安があるからお金を使わない。だから景気が悪くなる」と問題視した。
それではどうするかについて、日本より後にバブルが崩壊した他の先進国がそこから立ち直り、経済成長を遂げている事例を紹介した。年金・医療・介護の分野で高齢者の不安を取り除く施策を行うとともに、若い世代には大学の授業料、寄宿舎の費用までも無料にし「働く人の安心、お年寄りの安心、子育て世代の安心と全てがそろっているから経済成長した」と説明した。そして中村候補は「日本もそうしようではないか。安倍政権のような冷たい経済政策ではなくて、私たちのように温かく明るい経済政策に変えていこうではないか」と強く訴えた。