岡田克也代表は8日、水岡俊一候補の応援に入った兵庫県加古川市と、林久美子候補の応援に入った滋賀県草津市で、それぞれ記者団の取材に応じた(写真は滋賀県草津市で取材を受ける岡田代表)。

【参院選の情勢など】

・選挙全般について

 民進党など野党が憲法改正を争点として訴えているにも関わらず、安倍総理が憲法改正については沈黙を続けていることをどう見るかと問われ、「1月の年頭会見で安倍さんは『憲法を改正をしたい、そのことを参院選で国民の理解を深めたい』と言われた。どこかの段階で、『憲法改正は争点ではない』と180度変わったのは、選挙で論点にするのは不利だという判断だろう。憲法改正を諦めたのなら別だが、やる意思に変わりがないのなら、正直に選挙で出すのは当たり前だ。ここで隠して、選挙が終わったら『選挙公約の片隅に書いてありました』というのは民主主義ではない。安倍流はそういうのが多すぎる。一国の総理大臣としてはいかがなものか」と厳しく批判した。

 民進党が「改憲勢力3分の2を阻止する」と主張する際の「改憲勢力」の範囲を問われ、「自民党・公明党がその中に入っていることは間違いないで。そこにプラスして何を入れるかは安倍さんに聞いてみないと分からない。しかし、事態は与党だけで3分の2を取りかねない状況だ」と強い危機感を示した。

・兵庫県選挙区について

 兵庫県選挙区の情勢については「非常に厳しい戦い」とし、「兵庫県民の皆さんに問いたい。改憲勢力が3議席独占でいいのか。それが本当に県民の皆さんの意思なのか。そうはならないだろう」と力を込め、「最後は県民の皆さんの良識が示されると期待している」と述べた。

 改選議席数3の兵庫県では共産党とも議席を争う状況になっていることから、記者団から、共産党との協力体制ができていればこれほど厳しい戦いにはならなかったのではと問われ、「1人区では統一候補で進めてきたが、複数区は周りは全部ライバルというところもある。それは結果論だ」と突き放した。

・滋賀県選挙区について

 滋賀選挙区の情勢については「何とかしたい。党本部としても全力を挙げるし、林さんも元気なので最後まで頑張り抜いてもらいたい。最後は、滋賀県民の良識が林久美子を当選させると思っている」と述べた。現状「(相手の)肩に手が掛かったぐらい」だとし、今日・明日の戦いに期待感を示した。

 また、元滋賀県知事の武村正義氏が演説会等で支援を呼びかけていることについては「(武村さんは)地域で尊敬されている政治家なので、いい影響を与えている。正面に出てきていただいてありがたい」と述べ、合わせて、三日月現知事らの支援にも感謝の意を示した。

【東京都知事選について】

 都知事選に向け、様々な人々が立候補に意欲を示し、市民団体の動きなどもあることについては、「個々のことにはコメントしない。わが党の態度が決まればその段階で説明する」とし、現在、人選を進めているとした。候補者発表のタイミングについては「(参院選投開票日の)10日を待ってと決めているわけではない。4党で推せるような体制ができ、人が決まれば、10日の手前でもあるかもしれない」と述べた。この発言に対し、都知事選でも野党4党の枠組みを維持するのかとの問いには「基本は人」とした上で、「できるだけ4党の枠組みは維持したほうがいい」との考えを示した。

 俳優の石田純一氏が野党統一候補としての出馬に意欲を示していることについては、「安保法制反対の時にいろいろなことがあるにもかかわらず、堂々と国会の前でマイクを握っていただいた方なので、その意味では素晴らしい人だと思っている」と評価しつつ、「現時点でコメントすることはない」と繰り返した。