福島伸享衆院議員は31日午後、衆院TPP特別委員会の総括的集中審議で、(1)SBS米の価格調査(2)国会決議の検証(3)担保法のあり方――等について質疑を行った。

 SBS米の価格調査問題については「調整金を含めた不透明な仕組みを、農水省ははじめから分かっていた。農水省がつくった国家貿易の非合理的で経済原理に基づかない仕組みに輸入業者や卸業者が付き合わされてきたのにいまさら知らないとはひどいではないか」などと農水省の対応に全国で怒りの声が上がっていると指摘。さらに福島議員事務所に続々と届いている名義貸しなどの調整金の実態を示す資料を特別委員会に提供することを表明し、農水省による再調査が不可欠であると主張した。

 国会決議が要求した「米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物などの農林水産物の重要品目について、引き続き再生産可能となるよう除外又は再協議の対象とすること」について、石原TPP担当相は「除外、再協議というものの定義が定型的にはない」、山本農水相は「除外という概念は現在ない」などと、国会決議を全く無視した答弁を繰り返した。これに対して福島議員は「交渉の結果、除外も再協議もない。これでは国会決議を守るつもりがない交渉をしたと判断せざるをえない」と政府の国益をもないがしろにする姿勢を問題視した。

 TPP協定の実施を担保するために11本もの関係法律を束ねた担保法案が国会に提出されていることに関連して「TPPを批准するかどうかだけではなく、国内の制度や知財、医療、農業など今後の日本のそれぞれの分野のあり方にかかわる問題。(国会の)それぞれの所管委員会とともに専門的な観点も交えて連合審査を行うことを求める」と委員長に提案した。また、牛・豚マルキンは法律改正をせずに省令、予算措置で行えるにもかかわらず、わざわざ担保法案に含めて実施を遅らせているのは「結局、政府は(牛・豚マルキンを)やる意思がない」と厳しく批判した。

TPP協定締結に伴う関係法案をただす福島議員

TPP協定締結に伴う関係法改正案をただす福島議員