党憲法調査会(枝野幸男会長)は16日午前、国会内で総会を開催。立憲主義について憲法学者の木村草太・首都大学東京教授から話を聞いた。
冒頭のあいさつで事務局長の武正公一衆院議員は、国会の憲法審査会の状況について「参院では今日、憲法に対する考え方、衆院は明日、日本国憲法制定の経緯ならびに公布70年を振り返ってというところから議論がスタートすることになる。参院では白眞勲議員が、衆院では私がそれぞれ党を代表して意見表明をしたあと自由討議という形で動き出す」と報告。「特に役員会で『未来志向の憲法を国民とともに構想する』という綱領に則り精力的に論議を進めながら、総会では有識者の皆さんのさまざまな角度からのご意見を聞き、党内の論議を進めていきたい」と述べた。
木村教授は、(1)憲法と立憲主義(2)立憲主義の歴史(3)日本の改憲手続き(4)いわゆる自民党草案の問題(5)立憲主義をどうアピールするのか――をテーマに、「権力者による主権の濫用を防止するために憲法が生まれ、立憲主義が成立。無謀な戦争を防ぐために軍事力のコントロール、人権侵害を防ぐために基本的人権の保障、独裁を防ぐために権力分立がそれぞれ設けられている」「改正手続が厳格になればなるほど、憲法事項が減り(法律事項が増え)、改正限界も減る傾向にあり、日本国憲法は、改正手続が厳格なので、原理・原則の規定が多い」「自民党草案は、権利より義務を拡大し、緊急事態条項や国防軍条項により中央政府の権限を拡大するもの。憲法第96条は、『この憲法と一体を成すものとして』とあり、部分修正を前提したものであり条項ごとに提案すべき」「立憲主義によってどんないいことがあるのか、今ある憲法の理念を実現できているかを確認するべきではないか」などと見解を述べた。