参院TPP特別委員会で5日、「TPPに対する我が国の対応と厚生労働関連分野等」に関する集中審議が開かれ、桜井充議員が質問に立った。

 桜井議員は、仮にTPPに米国が参加しなかった場合、日本の経済的メリットはどの程度かと質問し、石原担当大臣は「TPPは12カ国のもとでのモデルなので、米国抜きで具体的にどの程度といえる具体的な材料はない。目安としてはおよそ半分程度ではないかと考える」と答えた。

桜井議員

 桜井議員は、「『TPP協定によってこれだけのメリットがあるから進めていこう』ということではないのか。米国抜きでどの程度になるのかという試算がされていないというのは、問題だ」として、試算を委員会に提出するよう求めた。

 TPPと保険の関係について桜井議員は、「国民皆保険制度があって、国として減税まで行って民間の医療保険に加入すべきだと推進するのは筋が違う」「民間の保険会社は、『高度先進医療をカバーする』と言っている。公的保険が圧縮されている分、高度先進医療の分野が広がって民間の保険会社の出番が増えるシステムになって来ている。こういうやり方は国民のためになっていない」と追及した。

 安倍総理は「公的負担を減らす目的で、民間の保険会社を入れるということは考えていない。医療が高度化する中で。どういう組み合わせがあるかという議論はある」と答えた。