衆参両院の正副議長が19日、天皇退位等についての立法府の対応に関して衆参各会派の代表者等を集め意見交換。野田佳彦幹事長、小川敏夫参院議員会長らが衆参の民進党会派を代表して出席し意見を述べた。

 会議後に記者団の取材に応じた野田幹事長は、正副議長から立法府での議論の進め方について説明があり、その後に各会派が意見を求められたと説明。野田幹事長は、過日届けられた文書で両院議長が各党会派の意見を取りまとめて総理に報告すると記載されていたことを問題視し「これでは立法府が政府の下請け機関になりかねない」と懸念を表明した上で、今回の議論の進め方について「立法府が主体的に合意形成を図るのか」と質したところ、大島衆院議長から「その通りだ」とする回答を得たという。

 両院正副議長側が「議事録は作成するが、当面の間非公表」と説明したことに対しては、「議事録を作るのは当然のこと。大事な議論が歴史的な検証に耐え得るようにするために議事録を作るべきだ」「今国会の中で行われている議論が国民にもきちんと伝わることが国民的議論にもつながる。議事録は作ったら随時公表すべきだ」と提案したことを明らかにした。

 記者団から退位を巡る皇室典範のあり方についての考えを問われ、「8月8日の天皇陛下のお言葉を聞き、かみしめてみると、ご自身お一人限りのことを言っているわけではなく、皇位の安定的な継承も願いながら国民に対して議論を望んでいるという趣旨だった。そのお気持ちを忖度(そんたく)するならば、一代限りの特例法ではなく恒久的な制度として考えるべきではないか。超高齢社会における象徴天皇のあり方についての問題提起であり、それを真摯(しんし)に受け止めるならば、皇室典範改正という結論に自ずと結びついていくのではないか」との見解を示した。