衆院予算委員会で3日、2017年度政府予算に対する3日目の基本的質疑が行われ、民進党質疑者の6人目として質問に立った神山洋介議員は、(1)天下り問題(2)安全保障政策――等について安倍総理や関係大臣にただした。
神山議員は、文部科学省からの天下りが問題になっている早稲田大学に私学助成として16年度に90億円の助成が行われ、17年度予算では私学助成として総額3153億円が計上されていることをふまえ、「天下りあっせんは法律違反だが、それ以前になぜだめかと言えば、官僚の天下りによって国の予算配分を決める意思決定の場に恣意性が生まれ、予算配分がねじ曲げられることが問題だ」と指摘し、松野大臣が進める文科省の調査のなかで早稲田大学への予算支出に関して歪みがあったかどうかも検証の対象になっているか確認を求めた。松野大臣は「その点も踏まえて調査する」と応じた。
この間の国会審議のなかで文部科学省および全府省の天下りの実態調査に関して、松野大臣はじめ政府は「スケジュールありきではない」「調査を徹底する」などの答弁を繰り返し、一貫して調査結果の発表時期さえ明らかにしてこなかったことを神山議員は問題視。国民の疑念を晴らすには一定の時限をもって公表する見通しを提示するのが政府の取るべき姿勢だと指摘した。そのうえで、同日の質疑で松野大臣がようやく文部科学省の調査に関し6日に中間報告を公表する見通しを明らかにしたことを踏まえ、内閣府の行う全府省調査もこれに足並みを揃えるべきだとして、全府省検査についての姿勢を改めるよう求めたが、安倍総理は従来の答弁を繰り返すだけだった。
党ネクスト内閣府特命大臣で党公務員制度改革座長でもある神山議員は、党ムダ遣い解消プロジェクトチーム(ダレノミクス)と内閣部門との合同会議で、天下りの問題に関して各府省等からヒアリングを行ってきたことを紹介。各府省等で管理職に就いていた職員が再就職した場合に届け出があった際、再就職先について人事課が調査を行っているかどうかに関して聞き取りを行ったところ、それぞれの府省等で「書面の提出を受けたことはない」「ヒアリングも行っていない」「届け出があったが調査していない」といった状況で、あまり調査が行われていない実態(上表参照)が浮き彫りになったと説明。「やれることは何でもやる」との総理の基本指示を徹底するのであれば、再就職の届け出や届け出内容の調査等は当然徹底するのが国民の疑念を払しょくするうえでも不可欠だと問題提起し、政府に対応を求めた。