衆院予算委員会で14日に行われた「外交・通商政策等」に関する集中審議で、長島昭久議員は、(1)トランプ政権初の日米首脳会談の成果(2)尖閣諸島への日米安保条約5条の適用を確認したことの意義(3)尖閣防衛に当たって自衛隊に新設される水陸両用部隊の装備や運用――について取り上げ、政府の見解をただした。

 長島議員は、今般の日米首脳会談で沖縄県の尖閣諸島が米国による対日防衛義務を定めた日米安全保障条約5条の適用対象となることを確認したことをめぐり、安倍総理が会談に先立ち来日したマティス米国防衛長官との会談で確認したほか、稲田防衛大臣や岸田外務大臣が再三にわたって確認したことについて、「自分たちで守ろうという意思が希薄なのではないか」と疑問視。日米安保条約5条は「わが国の施政の下にある領域への武力攻撃に対して日米が共同で対処する」との旨定めており、中国公船が尖閣諸島周辺の日本の領海内に侵入し、漁民に偽装した武装集団が島に上がり、武力は用いないが日本の海上保安庁が近づけない状況を作り既成事実として居座り続けた場合は「日本の施政が及ばない状況」になるとして、「安保条約5条が適用されるからと言って、尖閣で何かあったら米国がどんな場合でも駆け付けて助けてくれるわけではない。米国側が介入しようと思っていても条約上の義務を負わない可能性もある」と指摘した。

 そのうえで、尖閣有事の際に投入する部隊として特に、2013年に策定された中期防衛力整備計画では14年度から5年間で17機のオスプレイを新たに導入することを決定していることから、このコストについて質問。オスプレイは、米国政府から武器を輸入する有償武器援助(FMS)での購入が決まっており、米国国防省が15年5月、米議会に対し、売却総額は推定で30億ドル(当時3600億円)に上ると公表しているにもかかわらず、稲田防衛大臣は5年計画の最終年度に当たる18年度予算での必要額について「調整中」を繰り返すのみだった。長島議員は「日本側は最終的な額は把握していないのか。オスプレイは非常に高価な買い物。他のヘリコプターも併用し、陸自の航空部隊のポートフォリオのなかで大体これくらいという話なのに、他のヘリコプターとどのように併用していくかも頭の中に入っていなかったら、これから予算は青天井になる」と警告し、質問を終えた。

PDF「衆議院予算委員会長島昭久議員配布資料」衆議院予算委員会長島昭久議員配布資料