民進党の福島伸享議員は27日午前、衆院予算委員会での2017年度予算の締めくくり質疑で質問に立ち、森友学園の私立小学校建設のための国有地売却疑惑問題を取り上げた。

 福島議員は、国から森友学園への国有地売却で様々な特別の便宜が図られていた問題について、(1)他の学校法人、豊中市など取得に意欲を見せる者を差し置いて、随意契約で国有地を払い下げる単独交渉権があった(2)売買が原則のところ、手持ち資金がないとして買い受け特約付き貸し付け契約を結んだが、この規定を使ったのは今回のことを除けば学校法人で1件だった(3)随意契約では売買価格が原則公表だが、2014年度~16年度で近畿財務局管内で非公表が本件以外なかった――等と説明した。

森友学園が国から受けた便宜

森友学園が国から受けた便宜

 この極めて特異な土地取引によって8億円もの国民の財産が、安倍総理の名前で寄付金を集め、総理夫人が名誉校長を務めていた森友学園に投じられていた疑念があることから、「この疑惑が晴れないままに2017年度予算を決めることは国民感情的に納得できない」と厳しく批判。政府・与党に対して真相究明のために森友学園の籠池泰典理事長や近畿財務局長らの参考人招致を実現するよう求めた。

 また、森友学園の幼稚園で行われた運動会で園児が「安倍首相、がんばれ!安保法制国会通過よかったです!」等と宣誓していた問題について「教育基本法第14条2項で禁止されている政治活動そのものではないか」と松野文科相に違法性をただした。文科相は「特定の政党を支持し、又はこれを反対する政治教育、その他政治的活動をしてはならないとされている」と法律の定義を説明したが、本事案については「文科省は詳細を承知していない。大阪府の対応を注視している」等と大阪府に責任を押し付ける答弁に終始した。

豊中市野田町の「国有地売却にあたり価格の経緯

豊中市野田町の国有地売却の価格の経緯