参院予算委員会で6日、財政・内外諸情勢についての集中審議が行われ、民進党・無所属クラブの3番手として質問に立った白眞勲議員は、(1)森友学園の国有地売却(2)北朝鮮の核・ミサイル(3)拉致(4)金正男氏暗殺事件――等の問題を取り上げた。

 森友学園の問題について白議員は「聞けば聞くほど分からない状況」として、2015年9月に小学校建設予定地にあった産業廃棄物を場内に埋め戻し処分することを廃棄物処理業者に財務省近畿財務局が促していたというメモがあるとの報道に関して事実関係をただした。財務省の佐川理財局長は「メモは承知していない」「浅い部分の撤去工事をしていた時期なので近畿財務局も含めて関係者間でさまざまなやりとりが行われていた」「しかし掘り出したごみを場内に埋め戻すことを近畿財務局が指示することはない」と述べた。これを受けて白議員は「メモがないのになぜ断言できるのか」と疑問視し、メモがないうえに、関係者間でやりとりがあったと認めているにも関わらず、埋め戻すことを指示することはないと断言することはできないはずだと指摘した。これに対して理財局長は、当時の面談記録について「記録については保存期間1年未満ということで廃棄した」と述べ、当時の状況を確認する術がない旨を答弁した。白議員は、財務省近畿財務局は浅い部分のごみの存在を確認し、その撤去費用1億3200円を国でまかなうとしたが、そのごみよりも深い位置にあるごみをさらに把握し、この分の撤去費用としてさらに8億2200万円が割り出され、土地代金から値引きされたことは理解できないと追及した。

 白議員は続いて北朝鮮情勢を取り上げ、金正男氏暗殺事件について「今回の事件がマレーシアの国際空港という、不特定多数の人が行き来する、ともすれば無関係の人が巻き込まれる可能性があったところで猛毒による重大犯罪が北朝鮮によって行われたのは深刻」との見方を示し、拉致問題解決のためにテロ支援国家の再指定を米国に働きかける必要があるとして安倍総理に対応を求めた。

 白議員はまた、2014年5月に北朝鮮と交わした拉致被害者再調査などを行うとするストックホルム合意について取り上げ、合意に期限が記されていないことが問題だとして、「3年近くまったく動きがないのは期限がないからだ」との見方を示した。また、合意しただけで北朝鮮への制裁の一部を解除してしまったのも問題だと指摘した。そのうえで、3年経っても何ら北朝鮮側の対応が見られない現状を踏まえ、「ストックホルム合意はいったんここで破棄して、再度国連人権委員会、安保理事会を通じてこの拉致問題を国際社会に人権問題と訴えて、国際刑事裁判所(ICC)に金正恩氏を人道に対する犯罪で付託し、そこから拉致問題の解決を促すよう全力を傾けるべき」とも述べ、政府に対応を求めた。