野田佳彦幹事長は15日午後、仙台市内で開かれた「岡﨑トミ子さんのお別れ会」に参列した。岡﨑さんの衆院議員2期、参院議員3期の歩みについて、「国会においては参院の総務委員長、災害対策特別委員長の要職を、また、閣内では文部政務次官、国家公安委員長、そして内閣府特命担当大臣を歴任された」と振り返るとともに、「まさに政界の重鎮とも言える足跡だが、あなたの素晴らしさは、このような重責を担いながらも、いつも変わらず朗らかな笑みをたたえ、とても柔らかく人に接するそのお人柄にあった」「そして一転、国会質疑の場では、毅然と、まさに舌鋒鋭く不正を質した。あなたはいつも、政治の光が届かない弱い立場の方々、社会の格差に喘ぐ方々の、悲しみと憤りを満身で受け止めていたが故の強さ、優しいが故の強さを体現していた。私も政治家として、そのお姿から多くを学ばせていただいた」と、党を代表して弔辞(全文は以下の通り)を読み上げた。
弔 辞
岡﨑トミ子さんのお別れの会にあたり、民進党を代表いたしまして、謹んでご霊前に弔辞を捧げます。
岡﨑トミ子さんは、3月19日午前1時37分に、病のため、73年にわたる生涯を閉じられました。民進党一同、ここに深く哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。
岡﨑トミ子さん。あなたは、民進党の前身である民主党の結成に際し、鳩山さん、菅さんとともに呼びかけ人として名前を連ね、まさに民主党の生みの親の一人ともいうべき方でありました。政権を担い得る、本格的な2大政党の実現のため、民主党の副代表として大いに活躍されました。
振り返れば、衆議院議員2期、参議院議員3期を勤められ、国会においては参議院の総務委員長、災害対策特別委員長の要職を、また、閣内においては、文部政務次官、国家公安委員長、そして内閣府特命担当大臣を歴任されました。
まさに政界の重鎮とも言える足跡ですが、あなたの素晴らしさは、このような重責を担いながらも、いつも変わらず朗らかな笑みをたたえ、とても柔らかく人に接するそのお人柄にありました。周りの人々に心からの親愛を込めて呼ばれた「おトミさん」。ご遺影を拝見するまでもなく、私をはじめ多くの仲間、そして触れ合った全ての方々の心に、今もその満面の笑顔が焼きついております。
そして一転、国会質疑の場では、毅然と、まさに舌鋒鋭く不正を質しました。あなたはいつも、政治の光が届かない弱い立場の方々、社会の格差に喘ぐ方々の、悲しみと憤りを満身で受け止めていたが故の強さ、優しいが故の強さを体現していらっしゃいました。私も政治家として、そのお姿から多くを学ばせていただきました。
一粒万倍(いちりゅうまんばい)という言葉があります。一粒の種が源となって、やがて幾千の花を咲かせ、幾万の種を実らせる。
あなたは、議員引退後も、女性のための政治スクールの校長として、後進を育てるために、まさに心血を注いでいらっしゃいました。その卒業生から、先の統一地方選挙で地方議員も誕生しています。あなたの政治に対する思いは、今まさに新たな芽吹きを迎えています。
われわれ民進党に集う後輩は、あなたの優しさと強さを受け継ぐ大輪の花で、この国の政治を彩るために歩み続けます。悲しみの涙は今日で終わりにして、あなたの温かい眼差しが、今も、そしてこれからも我々に注がれ続けていることを確信しながら、歩みを続けてまいります。
岡﨑トミ子さん、おトミさん、ありがとうございました。
2017年4月15日
前内閣総理大臣 民進党幹事長 野田佳彦