野田佳彦幹事長は24日午後、定例の記者会見を国会内で開き、(1)衆院予算委員会集中審議(2)両院議員懇談会(3)仙台市長選挙ーー等について発言した。

 同日開かれた衆院予算委員会での集中審議については、加計学園が国家戦略特区として獣医学部新設を申請しているという事実を「2017年1月20日まで知らなかった」と安倍総理が答弁したことに、「誰がどう見てもにわかに信じることができない。疑惑はむしろ深まっているように思う」と指摘。「総理の意向に関わる問題や、周辺の人の忖度(そんたく)があったのかどうかについては、疑惑を持たれるような記録は文書として次々と出てくる一方、それに対する反論というのはほとんど記憶であり、残念ながら疑惑が晴れていっているという状況では決してない。そういうことなどを含めて疑惑は深まっていると思ざわるを得ない」と解説した。

 特に、同日の審議で参考人として出席した前川前文部科学事務次官と、和泉総理補佐官の答弁がまったく異なる内容だったことから、「大串博志政務調査会長が求めた証人喚問を行い、きちんと偽証罪が問われる、白黒はっきりする場で解明をしていかなければいけない。証人喚問については両氏以外にも加計学園理事長の加計孝太郎氏と安倍昭恵総理夫人の要求も行っていかなければならない」と主張。今後山井和則国会対策委員長が自民党に対し、25日にも民進党と自民党の国会対策委員長会談を開くよう呼び掛け、こうした証人喚問の実現などを求めていくとした。

 「今日の集中審議の開催は安倍総理が自民党の総裁のリーダーシップを発揮し、竹下自民党国対委員長とは異なる姿勢で急きょ実現したものだが、今日の答弁では『国会に任せる』と言ってリーダーシップをふるって証人喚問を実現しようとする姿勢はまったく見られなかった。総理、総裁の立場を使い分けている感を強くした」と指摘。あわせて、「忘れてはならないのは、憲法上の要請に基づき臨時国会の速やかな召集も求めている。このことについても引き続きしっかりと主張をしていきたい」と表明。破棄したとしていたPKO部隊の日報を陸上自衛隊が保管していた問題についても、特別防衛監察が出た後の速やかな委員会開催もあわせて求めていく考えを示した。

 25日に開催予定の両院議員懇談会では、6回に分けて開いたブロック別会議で出た衆参国会議員からのさまざまな意見を踏まえまとめた、執行部からの総括案を提示し、しっかり協議をしていきたいとした。

 23日投開票の仙台市長選挙については、「国政の枠組みでの戦いという構図となったが、わが党の出身である郡和子氏が勝利をすることができ、ほっとしている。よかったと思っている」とコメント。「県連推薦という形ではあったが、同僚議員だったので懸命に応援をさせていただいた。参加した議員に話を聞くと、安倍政権に対するノーという意思表示が強く表れた選挙ではなかったのかなという印象を持っている。仙台市の具体的なテーマもあったと思うが、それ以上に国政の影響を受けた選挙だったと思う。党としていい候補者を立て、その枠組みをきちんと作れれば勝利することができるという、1つの実例にはなったのではないか」と手応えを示した。一方で、野党連携については、「今回の(都議選の)総括会議でもいろいろなご意見が出ている。きちんと準備をし、うまくイニシアティブを取りながらやっていけば結果が出せる。そのためには丁寧に県連や総支部との意思疎通を図っていくことが大事だと受け止めながら対応していかなければいけない」と述べた。

 毎日新聞社が22、23の両日に実施した世論調査で安倍内閣の支持率が26%となったこと、一方民進党の支持率についても5%と前回調査より下がったことへの受け止めを問われると、「各社世論調査が出ているが総じて内閣の支持率は10~12%程度一層続落をしてきている。特に御社の場合は30%を切っており、象徴的な数字だと思う。30%を切ると歴代政権はその後いろいろな意味で厳しい状況に陥ってきた、いわゆる危険水域だと思う。一方でわが党の支持率が上がってこないという傾向もあるように思う。今都議選の総括をしている最中でもあり、党としての前進感がないことが今のこの時点では言える状況ではないか。しっかり総括し、前に進める体制をつくり支持率が上がるよう頑張っていかなければらならないと思う。さらに付言すれば、ここまで安倍政権が窮地に陥ってきたことは、今日の衆院予算委員会の集中審議などわが党の国対や予算委員会のメンバーの働きによるものだと思う。攻める部分では効果があった。あとは政権に足りうる政治勢力なのかが問われる部分だと思うので、その点は総括のなかで生かしていきたいと考えている」と述べた。